小学校で飼ったブタ「食肉センターに送るか」児童が涙の議論　決断下した元教諭「今も問い続けている」

京都教育大学の黒田恭史教授が、小学校で実施した「命の教育」の実践について語った。

彼は、生徒たちに1頭のブタを育てさせ、その扱いについて議論をした。

このプログラムは、死を学校で扱うことの重要性を認識し、ブタとの触れ合いを通して命の大切さを学ぶ機会を提供した。

黒田教授は、自身の父が病に伏していた経験から、命や死を学校教育に取り入れる重要性を感じ、2008年にはこの教育実践の結果を映画『ブタがいた教室』として広めた。

しかし、命の教育は感情的に難しい部分があり、避けられがちであると指摘する。

ブタを選んだ理由は、大きさや生き物の特性（臭いや健康管理）から、子どもたちが協力する必要があるためであり、命を育む実感を持たせる狙いがあった。

また、ブタと触れ合うことで、家畜の命や人間との関係性を考える機会を与えた。

生徒たちは、ブタをどうするかを話し合う中で意見が割れながらも、最終的には全員で「下級生に引き継ぐ」ことに決めた。

この過程を通じて、命の問題の複雑さや、互いの意見を尊重することの重要性を学んだ。

しかし、黒田教授は最終的に自らの判断でブタを食肉センターに送る決断を下した。

これは、命や食物に対する教育をより深く理解させるための一環であった。

教育の中で、子どもたちには命の大切さとその消費について考えさせることが重要であると訴え続けている。

（要約）

この議論では、小学生が豚を育てその命を食肉にする過程で得た教育的経験について、意見が大きく分かれています。

参加者の中には、豚に名前をつけて可愛がることで情が移り、その後の命の選択が精神的な負担を引き起こすと主張する意見が多く見られます。

また、教育の目的や手法についても、教員の自己満足や独善的な実験として問題視する声が強いです。

反対意見としては、命の大切さを学ぶための重要な経験として肯定的に捉える人もおり、生徒が命を預かる責任やそれが食糧につながることを実感する大切さを指摘しています。

しかし、最終的な選択を児童に任せたことが、教育的な意味合いを失ってしまったと感じる人が多いようです。

また、家畜とペットの扱いに関する見解や、住環境の違いによって命の捉え方に差が出ることについての意見もあり、要するに、教育の内容や方法、それによる心理的影響は非常に繊細で複雑なテーマであることが示唆されています。

全体として、教育的価値についての理解や、命を扱う責任、感情移入の度合いが議論を呼ぶ中で、どういった方法が教育において適切であるかを見極めることが重要であると感じられます。

（まとめ）