( 123998 ) 2023/12/21 22:56:34 0 00 令和6年度の国の一般会計税収で、消費税が過去最高を更新する見通しとなった。所得税は定額減税を実施するため前年度から大きく減るが、それでも税収全体では当初予算ベースで過去最高となる。政府は減税などで物価上昇を上回る国民の所得増加が実現できると見込み、デフレからの完全脱却の好機ととらえる。ただ、6年度の経済見通しでは実質国内総生産(GDP)成長率の伸びが5年度の見込みよりも鈍化し、先行きには不確実性も残る。 ■定額減税や賃上げ効果 6年度の税収は69兆6千億円程度と5年度当初より約1700億円増える見通しだ。消費税と法人税が伸び、定額減税での所得税の減収をカバーする格好だ。 日本経済が緩やかに上向く中、岸田文雄首相は定額減税で物価上昇を上回る所得の増加を実現させたい考えだ。内閣府が21日の経済財政諮問会議で公表した試算によると、定額減税や賃上げの効果で、6年度の所得増加率は5年度比3・8%となり、物価上昇率の2・5%を上回るという。 所得増加率のうち定額減税などの効果は1・3%程度と見込む。残る2・5%程度が賃金上昇分。実現すればデフレからの完全脱却が見え、日本銀行が大規模金融緩和策を正常化する出口戦略も現実味を帯びる。 ■成長率は伸びが鈍化へ 6年度の経済見通しでは実質GDPは568兆円と過去最高を更新する見通しだ。名目GDPは615兆円となり、初めて600兆円の大台を突破すると予測する。 ただ、実質GDP成長率は1・3%と、5年度見込みの1・6%より伸びが鈍化する。新藤義孝経済再生担当相は、6年度は「個人消費の増加と設備投資の拡大が見込まれ、民間需要主導の経済成長が実現する」と強調するが、先行きはなお見通しにくい。(中村智隆) |
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