( 124434 )  2024/01/01 11:03:23  
00

炊き出しや食料配布に並んでいても“生活保護”を受けない人は多いという 

 

会社などが休みとなり仕事も減る年末年始は、生活困窮者の人たちにとってつらい時期とも言える。そんな生活困窮者の人たちが頼る“最後のとりで”である生活保護制度は十分に活用されているのか。 

 

食料配布の支援を行う認定NPO法人自立生活サポートセンター「もやい」(事務所・東京都新宿区)の取り組みを取材した。 

 

12月23日、晴れているとはいえ、師走の風が肌寒い東京都庁(東京都新宿区)横の広場。多くの人たちが食料配布に列をつくっていた。並んだ人たちの数は、もやいが2020年4月に食料配布を始めて以来最多となる779人。 

 

並んでいたのは高齢の男性が中心だが、中には女性や30~40歳代ほどの男性の姿も。もやいに寄付された保存食(アルファ米など)や果物などが入ったビニール袋を、それぞれボランティア、スタッフから受け取っていた。 

 

もやいは2001年5月に設立。船をつなぎ止めるために用いる綱、 “もやい”を由来とする名称には、貧困や孤立にある人たちと社会をつなぎたい、という願いが込められている。 

 

大西連理事長以下12人のスタッフが生活困窮者のための生活相談・支援、入居支援などに精力的に取り組んでおり、食料配布もその活動の一環だ。 

 

生活困窮者に対し、生活保護の申請を同行する支援も行っている。生活相談・広報を担当するスタッフの結城翼さんによると、もやいを訪れる人たちに対し、毎週火曜日に行う生活相談の際、申請と申請への同行の意思を聞き、希望すれば各自治体の福祉事務所に同行する。年間100~150人に対応しているという。 

 

一方、もやいが支援する人たちに限らず、生活保護制度が十分周知され、活用されているとは言いにくい。 

 

都庁横で食料配布を受けていた東京都墨田区在住の40代男性は、「給料が上がらない。(配布を受ければ)少しは足しになる。(生活保護は)受けるつもりはない」。また、住所不定の60代男性は、「体が悪く仕事はしていない。(生活保護は)受けようとは思っているけど、受けていない。いろいろ事情がある」とそれぞれ語った。 

 

 

 
 

IMAGE