( 124524 ) 2024/01/01 14:06:35 0 00 JR京葉線の車両
JR東日本が発表した来春のダイヤ改正を巡り、京葉線(東京-蘇我)の快速の本数が縮小されることに千葉県の沿線自治体が強く反発し、波紋を呼んでいる。JR東側は混雑の平準化や利便性の向上などを理由に挙げているが、通勤ラッシュ時間帯の快速が各駅停車に切り替わることに、地元自治体は「市民生活に打撃を与える」とし、見直しを求める事態に発展。識者からは他路線の混雑や路線価への影響を懸念する声が上がっている。
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■快速は半数以下に縮小
JR東によると、来春のダイヤ改正に伴い、京葉線の快速が運転されるのは平日・休日いずれも午前10時~午後3時台のみとなり、平日の快速の本数は現行の59本から24本に縮小される。また、朝夕のラッシュの時間帯に1日4本運転されている通勤快速は廃止されることになった。
JR東では、東京-蘇我間の各駅停車の所要時間について、ダイヤ改正によって通過待ちが解消されるため「最大7分、平均2分短縮される」と説明。ただ、通勤快速に比べて最大で約20分の差が出るとみられる。
鉄道ジャーナリストの梅原淳さんは、今回のダイヤ改正について「通勤快速が廃止されることで総武線快速への負担が高まり、混雑も予想される」と懸念を示す。また、「舞浜-蘇我間の利用者は快速、八丁堀-葛西臨海公園間の利用者は各駅停車とすみ分けができれば混雑の平準化や利用者全体の到達時間の短縮につながる」と指摘する。
今回のダイヤ改正で懸念されるのが、路線価への影響だ。梅原さんは「(ダイヤ改正で)東京までの所要時間が延びるため、埼京線などの沿線に比べると(路線価は)相対的には下落する」との見方を示す。路線価が下落すると、自治体にとっては固定資産税の減収が見込まれる。
■千葉市長「失うもの大きい」
今回のダイヤ改正を巡っては、千葉市の神谷俊一市長は自身のX(旧ツイッター)のアカウントで「混雑緩和や平準化がダイヤ変更の理由とされていますが、朝夕の通勤快速・快速廃止(全列車各駅停車化)は、その最適解とはとても思えません。蘇我駅等また以南の通勤者の生活基盤が壊されるなど失われるものが大きすぎます」などとダイヤ改正に不満を表明。その後も沿線自治体からはダイヤ改正の見直しを求める動きが出ている。
梅原さんは「(ダイヤ改正によって)総武線快速の混雑率が上がると予想されることを考えると、(JR東側が)通勤ラッシュ時には快速が必要だと改めて考えるべきでは」と話している。
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