( 124722 )  2024/01/02 11:03:44  
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和歌山県の八郎山トンネルでコンクリートの厚みが不足している施工不良が発覚し、全面的な工事やり直しが決定された。

調査によると、コンクリートの厚みを偽装して検査を通したことが発覚。

トンネルは地震などの災害時に重要な道路として整備されており、完成後に内部でコンクリートの厚みが不足していることが発見された。

業者は検査を偽装し、大幅に要求を下回る回数の検査を行っていた。

(要約)

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トンネルで厚みなど確認のため穴を掘る様子 

 

和歌山県の串本町と那智勝浦町を結ぶ「八郎山トンネル」でコンクリートの厚さが不足するなど施工不良が見つかった問題。県はトンネルの工事を全面的にやり直す方針を決定しました。今回施工を担当した建設会社の調査結果では、作業所長は「コンクリートの厚さが確保できないことを認識しながら、数値を偽装して検査を通した」と回答していたということです。 

 

【画像を見る】穴の向こうに空洞が見える トンネル内部と現地の様子 

 

問題となっているのは和歌山県の串本町と那智勝浦町の町境をつなぐ県道のトンネル「八郎山トンネル」です。県などによりますと、全長は711mで、地震などの災害時には、海沿いの国道42号の迂回道路として、重要な意味合いを持つ県道として、整備中で、トンネルは去年9月に完成し、今年12月に供用開始の予定でした。 

 

しかし、去年12月に行われた照明の設置工事で、作業員が設置しようと、アンカー用の穴をあけたところ、コンクリートを貫通して内部に空洞があることがわかったということです。空洞は少なくとも約8割の範囲に及んでいて、その後の調査で、本来の設計なら、コンクリートの厚さは30センチ必要なのに、最も薄いところで、わずか1/10の「3センチ」しかなかったということです。 

 

県の担当者は発覚直後、「現場の管理がされていないことに正直に驚きを隠せない。非常に遺憾」だと話していました。 

 

トンネル工事は和歌山市にある「淺川組」と田辺市の「堀組」の共同事業体が実施していました。 

 

 県によりますと、業者は完成後、「覆工コンクリートの厚さは設計以上に確保されていた」という内容の書類を提出したということですが、県の聞き取りに対して、「検査で薄いことは把握していた」と回答していて、書類を設計値以上に書き換え、改ざんを認めたということです。 

 

 県ではトンネル工事の際にコンクリートの厚さを検査するよう定めています。その検査は、工事の進捗に応じて業者側から県への要請に基づいて行われるもので、計136回の検査が必要でしたが大幅に下回る6回しか行われていなかったということです。 

 

 

 
 

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