( 125264 )  2024/01/05 00:40:49  
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元日本航空機長が解説…事故防げた可能性 海保機の動きを“再現”…記録公開も残る謎 

 

 日本航空と海上保安庁の航空機が衝突し、5人が死亡した事故。なぜ、起きてしまったのでしょうか。 

 

事故を模型で解説…管制との交信記録を新たに公開 

 

 元日本航空機長の塚原利夫さんと共に、模型を使って事故を検証します。 

 

 まず、事故が起こった場所です。 

 

 事故は、羽田空港第2ターミナル近くのC滑走路で起こりました。その衝突場所周辺をパネルにしました。 

 

 事故直前、海保機はC-5というポイントから滑走路に進入しました。そこに着陸許可を得た日航機が降りてきて衝突しました。 

 

 この時、管制から海保機には「停止位置まで地上走行」と、指示が出されていました。 

 

 塚原さんにお聞きします。停止位置とはどの辺りでしょうか。 

 

塚原さん 

C-5の本来の停止位置は、滑走路の手前です。管制からは「C-5で待機をしてください」という指示が出されています。 

 

 本来であれば、C-5の位置で止まっていなければいけなかったのですが、海保機の機長は「進入許可を得たと認識していた」と説明しています。なぜ、食い違いが生じてしまったのでしょうか。 

 

塚原さん 

思い違い、食い違いというのは、人間ですからあることだと思います。海保機の副操縦士は管制に対して「C-5の位置で止まります」という返事をしています。その返事は当然、管制にも伝わっていますし、機長と副操縦士の間でも共通認識がなされているはずです。 

 

塚原さん 

しかし、どうも、その共通認識が得られていなかったために、機長は滑走路に進入していいと誤解をしてしまったのではないかと思います。そしてC-5を出て、滑走路上で約40秒間停止しています。その時、着陸機は、まだ滑走路のはるか手前でした。結果的に接地(着陸)した後、追突する形になって、炎上したという流れになります。 

 

 C滑走路上で、海保機が40秒停止していたというのは、どういう状態にあったと言えますか? 

 

塚原さん 

おそらく、離陸許可はまだもらっていないけれども、「滑走路に入って離陸を待ちなさい」という指示だと錯覚、誤解をしたのではないだろうかと思われます。 

 

 そもそもの質問で恐縮ですが、停止位置の辺りに信号機のようなものは設置されていないのでしょうか。 

 

塚原さん 

空港によってついている所とついていない所があります。羽田空港の場合は通常ついていません。 

 

 ですから、管制とのやり取りが大切になってくるということですね。 

 

塚原さん 

飛行機のシステムはハイテク化されているのですが、人の声、音声無線が一番ローテクな部分です。これが安全の要になっていまして、ここでよくトラブルが発生します。今回、聞いた言葉をいかに状況認識するか、機長と副操縦士との間に差が出ていたのだろうと。その結果が、今回の飛行機の動きに変わってきているのだと思います。 

 

 

 
 

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