( 125667 ) 2024/01/05 18:11:39 0 00 (ブルームバーグ): 中国は「質の高い発展」の追求で前進していると習近平国家主席が再び述べた。新年のメッセージであらためて発せられたこの曖昧なスローガンが、2024年の成長を後押しする上で何を意味するのかについて投資家は頭を悩ませている。
習氏は23年、今年の目標の概略を示した昨年12月31日の演説を含め、少なくとも128回にわたってこのフレーズを口にした。習氏の公の場での発言に関するブルームバーグの分析によると、これは22年のほぼ2倍で、年間ベースで過去最多だった。
ギャブカル・ドラゴノミクスの中国調査担当副ディレクター、クリストファー・ベダー氏は「一見したところ、そのコンセプトはかなり明確だ。従来よりも持続可能な成長であれば、政策担当者は国内総生産(GDP)の伸び鈍化を容認するだろう。だた、それを突き止めようとすればするほど、ますます分からなくなる」と指摘した。
この曖昧なスローガンが初めて登場したのは、17年の全国人民代表大会(全人代)だった。習氏はこのフレーズを用い、急速に膨らむ債務に支えられた「高速」の成長モデルから脱し、健全なペースで景気拡大を続けるという政府の意図を示唆した。
習氏が言う「共同富裕」や「無秩序な資本拡大」といった他の言葉と同様、「質の高い発展」についても定義は示されていない。ただ、政策当局に長期的課題に対処する余地を与えるものだと一部当局者は説明している。例えば、グリーンエネルギーなどのセクターの推進が、石炭依存脱却につながるかもしれないということだ。
世界2位の経済大国、中国の成長鈍化で今後の経済軌道に関する疑念が高まる中、習氏が最近、このフレーズを頻繁に使うようになったことで、既に不安を感じている投資家の混乱を招く可能性がある。
「結局は政治的」
中国の不動産不況や弱い内需、低迷する貿易、地方債務リスクといったあらゆるものが昨年、経済活動の重しとなった。そのため、中国経済の規模が米国を追い抜くとはもはや考えていないエコノミストもいるほどだ。以前は多くの識者の間で米中経済の逆転が確実視されていた。
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