( 126043 ) 2024/01/06 22:26:50 0 00 羽田空港のC滑走路では日航機の残骸の撤去が進められた
羽田空港の滑走路で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故で新事実が判明した。着陸機が接近する滑走路に別の機体が進入した場合、管制官に画面で注意喚起する「滑走路占有監視支援機能」が、事故当時、正常に作動していたことが分かった。国交省が5日、明らかにした。海保機は滑走路に進入後、約40秒間停止していたとみられ、管制官が注意喚起表示を見落とした可能性もある。海保機と管制のヒューマンエラーを含む複数の要因が重なり事故が発生した疑いがあり、運輸安全委員会や警視庁は詳しい経緯を調べる。
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■複数要因で事故発生か
事故当時、この機能が作動し、海保機の進入を検知していれば、管制官が使う装置の画面上では、滑走路全体が黄色に点滅し、航空機が赤色に変わっていた可能性がある。
国交省は、管制官が海保機に進入を許可していなかったと説明し、日航機のパイロットも「海保機は視認できなかった」としている。
一方、産経新聞によると、海保機の機長は、滑走路進入について「他のクルーにも確認した」と説明したことも分かった。海保機には機長のほか、死亡した5人の計6人が搭乗していた。全員がヘッドホンとマイクが一体化した航空用ヘッドセットを装着し、管制塔との無線交信を聞き取れる状況だったという。
交信記録によると、2日午後5時45分に、管制官が「1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と海保機に指示した。機長は8秒後に「向かいます」と復唱したが、そのまま滑走路に進入し、約40秒間停止した。直後の5時47分、着陸してきた日航機と衝突した。
通常、管制の指示は機長と副機長が仰ぐ。機長はこれまでの聞き取りに「許可を得て進入した」と説明し、その後の聞き取りで「他のクルーにも(管制指示を)確認した」と話したという。海保機側が「1番目(の離陸予定だ)」と伝えた管制指示を優先離陸と誤認した可能性もある。
国交省によると、離着陸の順番を示す管制用語に優先離陸を促す特別な用語はない。交信記録には滑走路への進入を許可した記載はなかった。
■C滑走路8日再開へ
今回の事故を受けて、斉藤鉄夫国交相は5日、注意喚起表示を常時監視する人員を、6日から配置する方針を示した。また、事故のあったC滑走路の運用は、8日に再開する見込みだと明らかにした。
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