( 126201 ) 2024/01/07 13:36:50 0 00 「ちゃんぽん亭」の近江ちゃんぽん
滋賀県彦根市で創業した飲食チェーン「近江ちゃんぽん亭」(以下ちゃんぽん亭)は、和風だしの「近江ちゃんぽん」が看板メニューです。運営会社ドリームフーズは関西を中心に50店舗(FC8店舗含む)を持ち、従業員約800人(2022年3月現在)を抱えるまでに成長しました。創業者の息子で2代目の山本英柱さん(48)はスタートアップなどを経て家業に入社。本場長崎とは製法が全く異なるちゃんぽんに来店客からクレームが出るといった問題も、「近江ちゃんぽん」としてのブランディングを確立することで乗り越え、滋賀のソウルフードとしての地位を築きました。
──山本さんはどのような家庭で育ちましたか?
父(創業者の山本一さん)は会社員で、母は私が生まれる前まで喫茶店を営んでいました。自宅は店舗だった1階を改装してリビングのようにしていましたが、貧乏な家庭だったと思います。
「ちゃんぽん亭」のルーツは、彦根駅前にあった「麺類をかべ」という小さな食堂です。父が出張の時にたまたま入ったら、ちゃんぽんの味にほれ込み、通っているうち、1987年に店の経営を譲り受けることになりました。
家族は愛知県一宮市に住んでいたのですが、父は彦根まで毎日通い、「をかべ」を経営していました。私も何度か連れられてちゃんぽんを食べました。とはいえ、父とビジネスの話はほとんどせず、売り上げがどうなっているのかも知りませんでした。
──当時、なりたい職業はありましたか。
明確には無く、父のビジネスを継ぐことも考えていませんでした。自分で好きなことを見つけて切り開きたいと漠然と思い、大学を卒業して米国に留学しました。
1年後に帰国し、仲間とIT教育事業のスタートアップを起業したのですが、社会人経験がほとんどない私は名刺交換の仕方も商談の方法も知らず、相手の動きをこっそりまねして覚えました。
そうやって恥をかいて七転八倒しながら経理や採用の仕方を身に付けました。小規模の企業でしたが、今思うと経営の勉強になっていましたね。
──そこから医療系のビジネスも経験しています。
ビジネススクールの学友がやっていた医療系コンサルタントの仕事を手伝うことになりました。軽い気持ちで入社したのに、いきなり「国のプロジェクトをやってもらうから」と言われ、翌日から国の遺伝子研究のプロジェクトに携わることになりました。
といっても研究は先生たちが行うので、私はプロジェクトや予算の管理といったバックオフィスの業務を任されました。経理や法律については、スタートアップでの経験が生かせたと思います。国からの予算の振り分けも、私がエクセルで作っていましたから。
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