( 126634 )  2024/01/08 22:49:32  
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田中真紀子氏(2023年12月8日撮影) 

 

 8日午後3時すぎ、東京都文京区目白台にある田中角栄元首相邸の敷地内で火災が発生した。「煙が上がっている」という110番通報があり、現場には消防車20台以上が駆けつけ、消火作業に当たった。 

 

【写真】火災が発生したとみられる故田中角栄元首相宅付近 

 

 東京消防庁などによると、2階建ての建物から出火し、約800平方メートルが全焼。雑木林なども燃えたという。 

 

 敷地内には角栄氏の長女、田中真紀子元外相(79)と夫の田中直紀元防衛相(83)夫妻が普段暮らす自宅がある。夫妻は火災発生時、敷地内にいたものの避難しており、けがなどはなかった。 

 

 関係者によると、真紀子氏は、火元となった建物で「線香をあげていた」という趣旨の説明をしているという。東京消防庁や警視庁が、詳しい出火原因を調べている。現場一帯は、鎮火後の8日夜になっても焦げ臭いにおいが漂い、周辺の道路は一部、交通規制が敷かれた。 

 

 火災現場となった田中角栄邸はかつて「目白御殿」と呼ばれ、昭和の日本政治史の重要な舞台となってきた。有力政治家をはじめ、多くの政財界の関係者が「角栄詣で」を行い、角栄氏が敷地内の池のコイにえさをまく姿も、おなじみだった。 

 

 邸宅の敷地はかつて総面積8230平方メートルに及んだが、93年12月の角栄氏の逝去後、真紀子氏らが相続税の現金での全額納付をあきらめ、4割弱の約3000平方メートルを「物納」して、話題になった。 

 

 現場はJR目白駅から約1・5キロの位置にあり、周囲には目白台運動公園や日本女子大キャンパスもある文教地区。近所の住民の女性は「炎と煙が高く上がって、勢いがすごかった」と振り返り、別の70代男性は「長年親しんできた角栄さんの家で火事が起きるとは、新年早々悲しい。真紀子さんのことが心配」と沈んだ声で話した。 

 

 角栄氏は昨年、没後30年を迎えたが、近年の政治状況を受けて最近、改めて角栄氏の手腕に注目が集まる「角栄ブーム」が起きていた。真紀子氏は昨年12月に国会内で行った講演で、角栄氏のベストセラー「日本列島改造論」の復刻版を、昨年3月に出版したことも明かしていた。 

 

 

 
 

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