( 126915 ) 2024/01/09 14:39:33 1 00 2012年5月、中国の無錫市で生まれた周暁さんは、政府を批判したことを理由に精神病院に強制入院させられた経験を持つ。
その後、20歳の時にITの専門学校に入学し、文化大革命についての意見表明が政府に伝わり、仕事を失うなどの不利益を被った。 |
( 126917 ) 2024/01/09 14:39:33 0 00 大阪市の自宅アパートで窓の外を見つめる周暁さん=2023年7月
中国・北京の天安門広場で掲揚される国旗
周さんの自宅の冷蔵庫の上に置かれた古い写真=2023年7月、大阪市
厳しい表情で記者の取材に応じる周暁さん=2023年7月、大阪市
来日時はこの小さなスーツケースひとつだった=2023年7月、大阪市
シナピスで作業する周さん=2023年7月
自宅で窓の外を見つめる周さん=2023年7月、大阪市
大阪市の支援施設「シナピス」で取材に応じる周暁さん=2023年7
シナピスでカップ麺を食べる周さん=2023年7月
社会活動センター「シナピス」が入るカトリック大阪高松大司教区の建物(大阪市中央区)
シナピス」でインタビューに応じる松浦・デ・ビスカルド篤子さん=2023年8月
大阪出入国在留管理局(大阪市住之江区)
松浦・デ・ビスカルド篤子さん=2023年8月
シナピスでパソコン作業をする周さん=2023年7、大阪市
2012年5月の昼ごろ、中国、上海近くの江蘇省・無錫市に住む周暁(しゅう・ぎょう)さん宅がノックされた。ドアを開けると、警察官が3人。
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「ちょっと話したいから来てくれ」
周さんは拘束され、車に乗せられた。思い当たる理由はあった。1週間前、政府を批判する行動を取ったためだ。連れて行かれた先は、市内の精神病院。地獄のような強制入院生活の始まりだった…。
中国政府による政治的迫害を理由に、海外に逃亡する中国人たち。香港の民主化を求めて活動し、日本でも有名になった周庭(アグネス・チョウ)さんはカナダに出国したが、中には日本に向かう人もいる。現在、大阪市に暮らす周さんもその1人だ。
「中国には自由がない。日本は自由の国」と期待して来日し、難民申請をしたものの壁にぶち当たった。日本の難民認定率はわずか1%未満。「自由と民主のある場所で暮らしたい」という切なる願いは、認められるのか。(共同通信=武田惇志、福原健三郎)
▽文化大革命を批判、転職させられ…
周暁さんは1986年、無錫市で生まれた。1年後に両親が離婚し、母方の祖父に引き取られて育った。少年時代の将来の夢は政治家で、中華民国を建国した孫文のようになること。
孫文を尊敬するようになったのは、民主主義者だった叔父に感化され、歴史好きでもあったためだ。話が孫文について及ぶと、周さんは「中華民国はアジア最初の自由国です」と誇らしげに語る。
地元の高校を卒業後、2004年にIT技術の専門学校である無錫職業技術学院に入学。学生がスピーチをする授業で、周さんは文化大革命について次のような意見を述べた。
「文革の結果、真実を言う者がいなくなり、国全体が混乱に陥って停滞した」
教員や同級生がその場で批判することはなかったものの、発言内容は外部に漏れた。
その結果、政府の公文書に記載されてしまったという。2007年に専門学校を卒業し、IT系の会社に就職したものの、共産党への批判的な態度が同僚や上司に伝わった。会社を辞めざるを得なくなり、転職を余儀なくされた。同じようなことはその後もあり、転職を繰り返した。
▽爆音で流した天安門事件の映像音声
2012年5月、システムと外部のインターネットをつなぐVPN(仮想専用線)を使った際、YouTubeでイギリスBBC放送による天安門事件のドキュメンタリー映像を見つけ、衝撃を受けた。
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