( 127269 )  2024/01/10 22:29:48  
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日本航空516便のエアバスA350型機が羽田空港で海上保安庁機と衝突事故を起こした後、NHKが番組でこの事故を検証しました。

乗員5人が死亡した一方、日航機の乗員乗客は全員生存した。

日本航空では、緊急脱出のための指導が行われており、乗務員たちはその指示に従って行動しました。

乗客同士も落ち着いて協力し、無事脱出することができたと紹介されました。

番組では、乗客にとっての安全対策も呼びかけられました。

(要約)

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<羽田空港火災>燃える日本航空516便エアバスA350型機(撮影・大城 有生希) 

 

 NHKは10日、「クローズアップ現代」(後7・30)で「羽田空港 衝突事故 緊急時、命を守る“判断”とは」を放送。今月2日に羽田空港で発生した日航機と海上保安庁機の衝突事故について検証した。 

 

【イラスト】衝突事故の現場イメージ 

 

 海保機の乗員5人が死亡という大惨事。一方、日航機の乗員乗客は全員脱出し、世界的にも大きな注目を集めた。番組では着陸直後の映像と30人以上の乗客の証言をもとに脱出できた要因を振り返った。 

 

 乗客提供の映像では、インターフォンシステム故障のため、乗務員が身ぶり手ぶりで伝えている様子や「荷物を取り出さないでください!」と大声で呼びかけている様子が分かる。 

 

 日本航空では緊急脱出の5項目として「衝撃から身を守る」「パニックコントロール」「状況確認」「乗務員全体での情報共有」「非常口への誘導」が義務付けられている。 

 

 また、火災の火を機内に入れないために、各乗務員はそれぞれ非常口を守ることがセオリーだが、今回は前方にいたチーフがエンジン付近まで自ら動いて火災を確認。コックピットの機長に口頭で伝え、脱出の指示を得た。これにより、前方の「L1」「R1」の扉を開くことができ、衝突から5分後に脱出を開始できたという。 

 

 映像を確認した元日本航空客室乗務員の山下輝江さんは「自分の持ち場を離れて、(エンジン付近まで)行くというのは驚いたんですけれど、最初に確認に行って指示を仰いだのはすごいなと思いました」と述べた。 

 

 また、乗客同士で落ち着くように声を掛け合い、上部の荷物を取り出さないように注意し合っていたという証言を紹介。山下さんは「すごいなと思いました、今回のお客さまは。自分たちをすごく冷静に保ってくださっているので。今回、もし奇跡って言われるのであれば、お客さまが奇跡です」とした。 

 

 さらに、後方座席では煙が立ち込め、パニックになる客も出始めていた。後方部分では左の扉のみ使える可能性があったが、前輪が壊れて機体が前に傾いていたため、脱出用スライダーが地上に届かず、大ケガをするリスクも想定された。インターフォンの故障で機長にも連絡ができない。山下さんは乗務員は一人で難しい判断を迫られたのではと推測した。 

 

 結局、衝突から9分後、左後方のスライドはギリギリ地面について脱出できた。山下さんは「自分で判断しなければならなかったのは苦しい決断だったと思う。よく判断したと思う」と語った。9人の客室乗務員のうち、半数が配属間もない乗務員だったといい、その分、基本に忠実に対応できたのではという意見もあった。 

 

 番組では、搭乗した飛行機でもしものことが起きた時を想定し、「非常口の確認」「離着陸時は起きておく、靴をはいておく」「騒がず落ち着いて」「乗務員の指示に従う」を呼び掛けた。 

 

 

 
 

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