( 127286 )  2024/01/10 22:49:01  
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西村氏も複数回聴取を受けているという 

 

自民党派閥のパーティー収入不記載事件で、東京地検特捜部は、安倍派(清和政策研究会)の還流システムの全容解明を急いでいる。西村康稔前経産相ら同派幹部に対し、任意の事情聴取を重ねているようだ。中でも、今後の焦点となりそうなのが〝裏切りの経緯〟だ。安倍晋三元首相が指示した「還流廃止」の方針を、暗殺直後、同派の一部幹部が撤回したとされる。特捜部は重大関心を寄せている。 

 

【グラフィック】安倍派の政治資金収支報告書に記載されたパーティー収入の推移 

 

■元首相の暗殺後に 

 

「安倍派の会計責任者は『還流や裏金化の違法性を認識していた』などと供述している。当然、指示・共謀した者の解明が必要となる」 

 

司法関係者は、今後の捜査の展望をこう見通した。 

 

今回の事件では、政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で、衆院議員の池田佳隆容疑者(比例東海、自民党除名)が逮捕された。 

 

特捜部は、パーティー収入の還流と、一部の議員による「中抜き」を合わせた安倍派の裏金が2022年までの5年間で6億円近くに上ることを確認した。額の多い、大野泰正参院議員(岐阜選挙区)や、谷川弥一衆院議員(長崎3区)の立件も検討しているとされる。 

 

こうしたなか、「裏切りの経緯」が焦点となってきた。 

 

夕刊フジ既報の通り、安倍氏は2021年11月に派閥会長に就任後、パーティー券販売のノルマ超過分を還流する仕組みを問題視し、「還流廃止」を指示した。 

 

ところが、安倍氏が22年7月に凶弾に倒れた後、一部幹部の意向で還流が継続された。当時、派閥運営を取り仕切る事務総長だった西村氏らの関与も報じられている。 

 

安倍氏に近かった菅義偉前首相は6日放送のニッポン放送の番組で、「安倍氏は『あの仕組み(還流)はやめるべきだ』と言っていたようだ。(派閥の)会長職もそんなに長く務めていない」と証言している。 

 

関係者によると、特捜部は歴代事務総長らに聴取を重ねているという。特捜部は、安倍氏の意向を覆し、還流を続けた派閥幹部について、立件の可否も含め、慎重に捜査を進めているもようだ。 

 

岸田文雄首相(自民党総裁)は、政治刷新本部の初会合を11日に開く方向で最終調整している。外部有識者を招いて政治資金規正法の厳格化を検討し、今月中に中間取りまとめを行うという。 

 

自民党関係者は「今月末の通常国会召集を見据えて、特捜部の捜査が加速する可能性がある。岸田首相の危機管理能力には厳しい視線が注がれており、政治刷新本部の意義も厳しく問われる」と危機感をあらわにした。 

 

 

 
 

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