( 127354 )  2024/01/10 23:43:03  
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日本企業の部品がロシア製無人機やミサイルに使用される問題が浮上しており、製造元の企業が対応に苦慮している。

例えば村田製作所のICやパナソニックのリチウムイオン電池などが使用されていた。

これに対し、企業は再輸出されることへの対策を取っているが、代理店経由では確認が難しいと述べている。

外務法の適用外である中国からの再輸出も課題となっている。

(要約)

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ロシアの兵器に使用されたとみられる日本製部品の例 

 

ロシアの無人機やミサイルなどの兵器に一部日本企業の部品が使われていたとされる問題で、製造元の企業が対応に苦慮している。ウクライナ政府のホームページ(HP)によると、日本の部品で見つかったのは集積回路(IC)やエンジン、カメラなど136個。イラン製無人機「シャへド」やミサイルなどの兵器で使用されたという。 

 

■代理店経由追い切れず 

 

最も多かったのは村田製作所の19個。具体的な品目はIC、コンバーター、増幅器、ノイズフィルター、パワーフィルターなどだ。同社は、「どういう経路でロシアに届いているかはわからない」と説明。兵器に使用される恐れがある電子部品は輸出管理規制にのっとって販売しているものの、「特定の企業に直接販売する場合は使途や必要数がある程度分かるが、代理店経由で販売されると追い切れないことがある」とした。 

 

■模造品もあり詳細不明 

 

また、パナソニックブランドの製品もリチウムイオン電池、信号リレーなどが使用されていたとみられる。パナソニックホールディングスは「以前からリチウムイオン電池が使われているという話を聞いているが、ロシア向けに販売していない製品だ」と説明する。製品の用途を確認した上で決められた顧客にしか販売しないなどの対策を取っているが、「模造品がたくさんある中で、実物を確認できていないので詳細は分からない」としている。 

 

製造元の企業名には東芝、三菱電機、富士通、ルネサスエレクトロニクス、キヤノンなどの名前が並ぶ。 

 

■再輸出は外為法の適用外 

 

この問題について、斎藤健経済産業相は昨年12月22日の記者会見で、一般論と断った上で「国際社会の平和と安全の維持を期する観点から、引き続き厳格に輸出管理を実施していきたい」と述べた。 

 

日本の部品が外国で軍事転用されることは珍しいことではない。たとえば小型カメラが中国を経由して第3国に迂回輸出される場合がある。厄介なのは、中国からの再輸出は、対外取引の管理などを定めた外為法の適用外であることだ。 

 

輸出管理に詳しい大川信太郎弁護士は、政府の対応として「自社製品の軍事転用は会社の評価を落とし、ビジネスと人権の観点からもリスクが高いことを強調し、企業に対し、より厳格な輸出管理を促していくべきだ」としている。 

 

 

 
 

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