( 128201 ) 2024/01/13 13:44:39 0 00 傷心のソフトバンク・和田
独り歩きする世間の臆測に苦しんでいるはずだ。ソフトバンクは11日に国内FA権を行使して加入した山川穂高内野手(32)の人的補償で甲斐野央投手(27)が西武に移籍すると発表。舞台裏では、プロテクトリストから外れたレジェンド左腕・和田毅投手(42)が獲得候補に挙がっていたことが判明した。現役最後の「松坂世代」で日米通算163勝の実績ゆえに野球界のみならず、社会的に大きな反響があった。
10日までに西武側から和田の身分照会を求める動きがあったとみられるが、甲斐野に最終決定がなされたのは両軍から正式発表された11日。指名方針を決定する最終段階から本人通知までの間に選択選手の変更があったとしても、その経緯などが、つまびらかになることはルール上この先もあり得ない。語られない、というより明かすことができないからだ。
ネット上ではさまざまな臆測が飛び交っている。「ゴネ特」「安心した」といった当事者を置き去りにした見方や思いやりに欠けた言葉があふれている。選手はノーガードで受け止め、前に進んでいかなければならない。
チーム内からは「声を上げたいに違いない。それでも一連の流れの中で、本人は淡々としていると聞いている。チーム方針への理解も示していると聞く。ただ心ない声や、それがあたかも真実のように定着することには心を痛めているはず」と和田を気遣う声が上がっている。「真実でなくても一度定着したイメージを払拭することは難しい。ひょっとすれば一生ついて回るかもしれない」(有力OB)。その苦しみをおもんぱかる仲間は多い。
今季でプロ22年目。プロテクト漏れを受け止める度量を持ち合わせている。周囲にはモチベーションなどを懸念する声もあるが、今回を含め球団の戦略的方針への理解をかねて示してきた。2018年オフには野球協約で定める減額制限を大きく超える75%ダウンで契約を更改。〝戦力外同等〟の判断を下されたところから左肩痛を克服して再び地位を確立した。「和田は周囲が求める自分像というものを理解している。きっと今、自らが見せるべき姿も心得ているはず」(チーム関係者)。人格者として、姿勢と振る舞いで若手の手本、ファンの期待に応えてきた。
思うところは、きっとあるだろう。生きざまを、結果とその背中で語り続ける――。
東スポWEB
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