( 128705 )  2024/01/15 12:19:27  
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 自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件は、最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)の現職議員が逮捕されるという新たな局面に突入した。裏金事件を捜査する東京地検特捜部は安倍派が議員側にパーティー券収入の一部をキックバック(還流)していた経緯やカネの流れを調べているが、注目されるのは誰が“本丸”なのかだ。 

 

 自民党内に「やはりロックオンされているのは事務総長経験者ではないか」との見方が広がる中、政界事情に通じる経済アナリストの佐藤健太氏は「安倍晋三元首相が派閥会長時代、幹部たちとキックバックの取りやめを協議していた点が最大のポイントになる」と見る。 

 

 99人の国会議員を抱える自民党最大派閥の安倍派は、岸田文雄首相の女房役である松野博一官房長官や西村康稔経済産業相(ともに辞任)を含め、大半の議員側が派閥からキックバックを受けながら政治資金収支報告書に記載していなかった疑いが持たれている。松野、西村両氏に加え、鈴木淳司総務相や宮下一郎農林水産相、さらに同派の副大臣5人らが事実上更迭され、派閥幹部の萩生田光一政調会長や高木毅国会対策委員長、世耕弘成参院幹事長が辞任した。 

 

 東京地検特捜部は12月19日に安倍派と「志帥会」(二階派)の事務所などへの強制捜査に入り、年末には3日連続で議員本人の関係先を家宅捜索。年明けの1月7日には、2022年までの5年間に約4800万円のキックバックを受けていた安倍派の池田佳隆衆院議員が政治資金規正法の疑いで逮捕された。 

 

 特捜部は高額のキックバックを受けながら不記載、虚偽記載だった議員らを対象に立件の可否を見極めているが、現職議員が政治資金規正法違反の疑いで逮捕されるという異例の事態に突入する中、自民党内で注目されているのは「誰が“本丸”なのか」という点だ。所属議員の大半がキックバックを受けていたとはいえ、その額は数十万円から4000万円超までと差がある。 

 

 ニュースやワイドショーでは、検察出身のコメンテーターが「どこかで立件するか否かの線引きせざるを得ない」などと解説しているが、仮に不記載・虚偽記載の多少が基準になるのであれば、立件されるのは「高額受領者」に限定されることになるのだろう。 

 

 

 
 

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