( 129169 )  2024/01/16 13:37:32  
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山上徹也被告は、大阪拘置所で弁護団に外の空気を吸いたいという言葉を漏らしたという。

彼は面会を受け付けず、宗教二世からの手紙に心を痛めている。

最近は近現代史に関する本を読んでおり、量刑について気にしているようで刑事訴訟法を勉強している。

事件の報道に関連付けられないように面会を取りやめるなど、精神的に揺れ動いている様子が伝えられている。

(要約)

( 129171 )  2024/01/16 13:37:32  
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「外の空気が吸いたい」 

 

 大阪拘置所の面会室で、山上徹也被告(43)は最近、弁護団に対しこんな言葉を漏らしたという。安倍晋三元首相が凶弾に倒れてから約1年半。山上は弁護士と一部の親族以外、一切の面会を拒み続けている。 

 

【写真】高校時代の山上徹也被告 

 

◆ ◆ ◆ 

 

山上徹也被告 

 

 拘置所の関係者が語る。 

 

「このところ、山上のもとには自身と境遇の似た“宗教二世”からの手紙が次々と届いています。山上はそうした手紙に返事こそしていませんが、一通一通すべてに目を通し、心を痛めているようです」 

 

 日中は近現代史に関する本を読んで静かに過ごし、“国家”や“政治”への関心を強めているという。 

 

「また、近頃は自身の量刑を気にしているのか、刑事訴訟法の勉強も独学で始めています」(同前) 

 

 全国からの差し入れも未だ大量に届いている。 

 

「食料品や衣服はもちろん、上限額の50万円が入った現金書留も複数送られてきており、その総額は数百万円にも上ります」(同前) 

 

 そんな山上が、半年程前まで強い興味を示していたのが公判前整理手続だった。 

 

 在阪社会部記者が言う。 

 

「2023年6月、奈良地裁で行われる予定だった第1回の整理手続に、山上は出席する予定でした。ところが、開始直前に不審物が届く騒動が起き、急遽中止となってしまったのです」 

 

 何故この手続に出席しようとしたのか。弁護団から理由を尋ねられた山上は、冒頭のように答えたのだ。 

 

 その後、10月に改めて手続が再開されたものの、本人は欠席。その理由を弁護団にこう説明したという。 

 

「(旧統一教会の)解散命令請求の時期と重なっており、それと関連付けて報道されて騒ぎになるのを避けたかった」 

 

 独居房の中で山上の心は揺れ動いているようだ。 

 

 もっとも、心境の変化はこれだけではない。前出の拘置所関係者が明かす。 

 

「実は、少し前に山上の伯父が拘置所まで来て面会を求めたのですが、山上がこれを拒否したのです。母親の面会は以前から断っていましたが、まさか伯父まで謝絶するとは驚きでした」 

 

 幼少の頃に父を亡くした山上にとって、伯父は父親代わりの存在だ。事件後、伯父は報道各社の取材に応じ、事件の背景について説明を続けてきた。 

 

「2023年6月、東洋経済オンラインで“独占手記”を発表。その中で『私は徹也と面会することを決意した』と宣言していたのですが……」(出版関係者) 

 

 いったい2人の間に何があったのか。大阪府下に住む伯父に話を聞いた。 

 

――山上に面会を拒否されたと聞いた。 

 

「あぁ? 誰がそんなこと言うてんの。そんなウソ流していいんかい」 

 

――では面会は出来た? 

 

「なんでそんなこと私が言わなあかんの。今も徹也に手紙書いてますよ」 

 

――手紙ではなく面会は? 

 

「違うやん。忙しいから行かれへんだけで。なんであんな遠いところまで行かなあかんの。忙しいんや」 

 

 そう言って煙に巻くばかり。だが、山上の弁護団の一人である藤本卓司弁護士を直撃すると……。 

 

――山上は伯父の面会を拒否している? 

 

「はい」 

 

――それは弁護団の方針? 

 

「弁護団の方では一切『これをするな』とか言うことはありません」 

 

――ではなぜ拒否を? 

 

「それは分かりません」 

 

 まさに“親”の心子知らず。現在、山上の弁護団は検察側に対して、6000点近くの証拠開示を求めており、初公判は早くとも2024年秋以降になると見られている。 

 

「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年1月4日・11日号 

 

 

 
 

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