( 129171 ) 2024/01/16 13:37:32 0 00 「外の空気が吸いたい」
大阪拘置所の面会室で、山上徹也被告(43)は最近、弁護団に対しこんな言葉を漏らしたという。安倍晋三元首相が凶弾に倒れてから約1年半。山上は弁護士と一部の親族以外、一切の面会を拒み続けている。
【写真】高校時代の山上徹也被告
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山上徹也被告
拘置所の関係者が語る。
「このところ、山上のもとには自身と境遇の似た“宗教二世”からの手紙が次々と届いています。山上はそうした手紙に返事こそしていませんが、一通一通すべてに目を通し、心を痛めているようです」
日中は近現代史に関する本を読んで静かに過ごし、“国家”や“政治”への関心を強めているという。
「また、近頃は自身の量刑を気にしているのか、刑事訴訟法の勉強も独学で始めています」(同前)
全国からの差し入れも未だ大量に届いている。
「食料品や衣服はもちろん、上限額の50万円が入った現金書留も複数送られてきており、その総額は数百万円にも上ります」(同前)
そんな山上が、半年程前まで強い興味を示していたのが公判前整理手続だった。
在阪社会部記者が言う。
「2023年6月、奈良地裁で行われる予定だった第1回の整理手続に、山上は出席する予定でした。ところが、開始直前に不審物が届く騒動が起き、急遽中止となってしまったのです」
何故この手続に出席しようとしたのか。弁護団から理由を尋ねられた山上は、冒頭のように答えたのだ。
その後、10月に改めて手続が再開されたものの、本人は欠席。その理由を弁護団にこう説明したという。
「(旧統一教会の)解散命令請求の時期と重なっており、それと関連付けて報道されて騒ぎになるのを避けたかった」
独居房の中で山上の心は揺れ動いているようだ。
もっとも、心境の変化はこれだけではない。前出の拘置所関係者が明かす。
「実は、少し前に山上の伯父が拘置所まで来て面会を求めたのですが、山上がこれを拒否したのです。母親の面会は以前から断っていましたが、まさか伯父まで謝絶するとは驚きでした」
幼少の頃に父を亡くした山上にとって、伯父は父親代わりの存在だ。事件後、伯父は報道各社の取材に応じ、事件の背景について説明を続けてきた。
「2023年6月、東洋経済オンラインで“独占手記”を発表。その中で『私は徹也と面会することを決意した』と宣言していたのですが……」(出版関係者)
いったい2人の間に何があったのか。大阪府下に住む伯父に話を聞いた。
――山上に面会を拒否されたと聞いた。
「あぁ? 誰がそんなこと言うてんの。そんなウソ流していいんかい」
――では面会は出来た?
「なんでそんなこと私が言わなあかんの。今も徹也に手紙書いてますよ」
――手紙ではなく面会は?
「違うやん。忙しいから行かれへんだけで。なんであんな遠いところまで行かなあかんの。忙しいんや」
そう言って煙に巻くばかり。だが、山上の弁護団の一人である藤本卓司弁護士を直撃すると……。
――山上は伯父の面会を拒否している?
「はい」
――それは弁護団の方針?
「弁護団の方では一切『これをするな』とか言うことはありません」
――ではなぜ拒否を?
「それは分かりません」
まさに“親”の心子知らず。現在、山上の弁護団は検察側に対して、6000点近くの証拠開示を求めており、初公判は早くとも2024年秋以降になると見られている。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年1月4日・11日号
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