( 129604 ) 2024/01/17 13:39:01 0 00 ダイハツ工業の認証不正を巡り、国土交通省がトラック3車種について、量産に必要な「型式指定」を取り消す手続きを始めた。処分が決まれば、消費者に身近な小型車では初の措置となる異例の事態だ。ダイハツは再取得を目指す方針だが、国交省の調査では新たな不正が判明し、生産再開のめどは立たない。自動車メーカーとしての信用失墜は避けられず、販売店や取引先にも動揺が広がる。
【動画】ダイハツ不正問題 安全性などの確認試験を公開…国交省
是正命令を受け、記者からの質問に答えるダイハツ工業の奥平総一郎社長(左)(16日、国交省で)=西孝高撮影
16日夕、国交省で取材に応じたダイハツの奥平総一郎社長は「国の認証制度を毀損(きそん)する大変な不正であり、心よりおわびする。改善を全力挙げて進めて参りたい」と述べ、謝罪した。
(写真:読売新聞)
不正の原因については「こなしうる仕事量に対し、過度に詰めすぎ、硬直的なスケジュールを変えられなかった」と述べ、「そういった環境や風土は経営が醸成してきた」と改めて経営陣の責任を認めた。1か月以内に再発防止策を国交省に提出するという。
対象となるトラック3車種の2023年1~11月の国内販売台数は約6200台だった。ダイハツの年間国内生産(22年度は約87万台)に占める割合は小さいが、ユーザーは電気工事や配送業などに携わる中小企業や個人事業主が多い。
ダイハツ本社の営業担当者は「仕事で日常的に使われており、信頼性こそが重要だ。型式の取り消しとなれば、影響は大きい」とうなだれた。
親会社のトヨタ自動車、供給先のマツダの信用も傷付けた。マツダは「不正の影響が弊社にも及び、誠に遺憾。今後の対応はダイハツと協議する」とした。
型式取り消しとなれば、日野自動車、豊田自動織機に続き3社目。日野はトラックやバス向け、豊田自動織機はフォークリフト向けのいずれもエンジンが対象だったが、ダイハツには一般ユーザーも多く、影響はより深刻と言える。
国交省の調査では新たな不正が判明しており、今後、対象車種が拡大する可能性もある。経済ジャーナリストの井上久男氏は「一般ドライバーに人気のタントやミライースなどの乗用車に取り消しが及ぶ事態となれば、ダイハツ存亡の危機になりかねない」と指摘する。
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