( 129949 )  2024/01/18 13:42:18  
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小倉健一氏提供 

 

 被災地に到着し自衛隊、警察、消防隊員らを激励した岸田文雄首相。しかし、官邸からはその行動に疑問視する声があがっている。一体なぜ、そして何に……。元プレジデント編集長で作家の小倉健一氏が解説するーー。 

 

 1月14日、岸田文雄首相は、能登半島地震で大きな被害を受けた石川・輪島市に到着し、安否不明者の捜索などに従事する自衛隊、警察、消防隊員らを激励した。一方で、輪島市から切実な訴えが続いている。 

 

 「(震災から2週間近くがすぎても)食糧不足が続いています。」 

 

 「カップヌードルがあっても電気が通っていないこともあり、パンやおにぎりも引き続きお願いしたい」 

 

 被災地では、いまだに、このような困窮を訴えている状況が続いている。岸田首相は、何を目的にして被災地へ視察に入ったのか。 

 

 1月1日16時10分に起きた能登半島地震(最大震度7、マグニチュード7.6)だが、いまだに、被害が収まっていない異例の事態が続いている。例えば、七尾市では道路の通行止めが増えており、現在161件にまで達している。また、土砂災害の恐れによる避難指示発令区域増加している。いまだに孤立している集落も多く、交通インフラの復旧の目処が経っていない地域がある。 

 

 また、避難所では、インフルエンザなどが蔓延しており、高齢者が多い(高齢化率が50%を超える地域のある)能登半島では余談を許さない状態が続いている。 

 

 1月11日夜時点で、ケータイの電波が届いていない地域が、NTTドコモで18%、KDDI(au)で11%、ソフトバンクが5%、楽天モバイルが3%となっている。被災地では人工衛星をつかった通信サービス「スターリンク」が3市町37台が稼働しているが、全体としてはまだまだ復旧が足りていない状況だ。 

 

 他方、被災地では発災から2週間近く経って、課題が見えてきた。「インフラ」「寒さ」「治安」だ。この3つを乗り越えるために、被災現場で、自衛隊、警察、救急、行政、そして被災者たちが奮闘していると言う状況である。そしてまた、将来を見据えた「復興計画」もそろそろ固めなくては、若い被災者たちが希望を失ってしまう。 

 

 

 
 

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