( 129959 )  2024/01/18 13:52:54  
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200万円以上の医療費を貯金から捻出したという毒蝮三太夫さん 

 

 著名人が病気になった際、医療費負担とどう向き合っているのか? 2005年に腸閉塞の手術を受けた俳優の毒蝮三太夫さんは、「手術で摘出した腸から、大腸がんの腫瘍が見つかった」という稀有な体験をした。 

 

【図解】申請忘れると1円ももらえない「高額療養費制度」申請書の書き方 

 

「駆け込んだ病院で手遅れと言われ、緊急搬送された先の当直がたまたま消化器外科の先生だった。取り除いた腸の腫瘍も転移していなかった。つくづく幸運だったね」 

 

 そう振り返る毒蝮さんだが、治療費に関しては苦い思いをしたという。 

 

「病気を通じて、カミさんや医療関係者に感謝したし、周囲のありがたみを感じたけど、治療費だけは高い授業料だった」 

 

 事務所の担当者が語る。 

 

「8時間の大手術を受け、41日間、個室で入院しました。国民健康保険で3割負担でしたが、個室ということもあって総額は200万円以上に。当時、70歳を迎える頃で、歳も歳だということで保障のある生命保険を解約した後だったんですよね」 

 

 医療費がひと月に一定額を超えた場合、健康保険などに申請すれば超過分が戻ってくる「高額療養費制度」がある。総額で200万円以上の医療費がかかった毒蝮さんも申請すれば超過分が戻ってきたのだが、前出の担当者がこう振り返る。 

 

「当時はそうした知識がありませんでしたから、申請は一切していませんでした……。入院している以上は仕事もできませんし、費用は貯金を取り崩して支払いました」 

 

 毒蝮さん本人はこう言葉を紡いだ。 

 

「若い頃にガツガツ働いて、蓄えがあってよかったと思うよ。むしろ、入院生活は人生のプラスになりました。大病の後は考え方が変わって、病気になってから病院に行くのではなく、なるべく病院に行かなくて済むよう健康的な生活を心がけるようになりました。予防医学というやつだよ。『俺は大丈夫』と過信せず、寒くなれば厚着にマスク。この歳になれば骨接ぎには転ぶ前から行く気持ちだよ(笑)。病院の精密検査も月に一度は受けています。健康で長生きしたいですからね」 

 

※週刊ポスト2024年1月26日号 

 

 

 
 

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