( 130172 )  2024/01/19 01:59:56  
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(ブルームバーグ): 第一生命ホールディングス(HD)は2024年4月入社の新入社員に対する初任給を現在の27万6000円から32万1000円に引き上げる方針だ。国内大手金融機関で最高水準となる。人材の獲得競争が激しさを増す中、優秀な人材の確保や定着につなげる。 

 

広報担当者によると、初任給の引き上げは4年ぶり。大卒で転居を伴う転勤がある内勤職が対象で、引き上げ率は16%となる。労働組合との交渉を経て正式決定する。 

 

金融業界では優秀な人材確保を狙うほか、物価上昇などを背景に賃上げを求める政府の要請にも対応し、初任給を引き上げる動きが強まっている。第一生命HDの菊田徹也社長は2030年度に現在の3倍超となる株式時価総額10兆円の目標を掲げる。グローバルな保険グループと伍(ご)していくためにも人的資本への投資を強化する。 

 

他の金融機関では、野村証券が24年度の初任給を24万5000円から26万5000円に引き上げる方針。23年に13年ぶりに初任給の引き上げを決めた三菱UFJ銀行は25万5000円で、三井住友銀行も同水準だ。証券や銀行も含めた国内大手金融の中で第一生命HDの初任給が突出する。 

 

厚生労働省の調査によると22年の一般労働者の月額給与の平均は31万1800円(年齢43.7歳、勤続年数12.3年)で、入社と同時に国内平均も上回る水準となる。 

 

第一生命HDは24年4月から転勤時の一時金も引き上げる。同伴家族の人数や構成に応じて金額を決め、同伴人数が1人以上の場合は従来より約30万円以上の増加となる。本人と配偶者の場合は40万円、3歳以上の子供がいる場合には45万円以上を支給する。 

 

また、専門性の高い人材の獲得のため、25年4月入社の新卒採用から「資産運用」や「海外」「会計・税務」「ITデジタル」と事業領域を事前に選ぶことのできる制度を導入する。入社から5年以内は特定のコース内で異動が行われ、6年目以降は本人の意向や適正などを勘案して異動する仕組みとする。 

 

 

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(c)2024 Bloomberg L.P. 

 

Nao Sano 

 

 

 
 

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