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松本人志さんと吉本興業の初動は“最悪”、でも「文春砲=正義」の風潮に違和感のワケ

ダイヤモンド・オンライン 1/19(金) 5:56 配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/3554ea9c59b5d6cb0c0099a356fc79d8dbd55860

 

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松本人志氏の性加害報道について、報道対策アドバイザーは吉本興業と松本氏の初動対応に致命的なミスがあったと述べている。

彼らは被害を訴える女性の感情面に対して一切否定する姿勢をとり、コミュニケーションのミスを犯したと指摘している。

さらに、一般の企業でも同じような対応が見られると語っている。

一方で、リスクコミュニケーション専門家は社会とのイメージ戦略を重視する立場であり、現状に共感を得られるような説明をすべきだと主張している。

また、法的措置を取る姿勢は一般消費者などに逆効果であり、対応策の違いを述べている。

(要約)

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Photo:Sports Nippon/gettyimages 

 

● 絶対やってはいけない「致命的なミス」とは 

 

 23年末から大騒ぎになっていたダウンタウンの松本人志さんの「性加害報道」が少し落ち着いてきた。 

 

 既にいろいろなメディアや専門家が論じているが、報道対策アドバイザーという立場で一点だけ指摘させていただきたいのは、ここまで「大騒動」にしてしまった原因は、吉本興業(以下、吉本)と松本さん側の初動に致命的なミスがあったということだ。 

 

 文春記事のタイトルに、2週連続で「恐怖の一夜」「恐怖のスイートルーム」とあることからもわかるように、今回、文春が争点にしようとしているのは、性加害の事実があったか否かなどではなく、「女性側が松本さんから恐怖を感じた」という心証面であることは明らかだ。 

 

 しかし、そういう個人の内面の問題に対して、吉本と松本さんは最初の一手で「事実無根」という、ファイティングポーズ全開の法廷闘争話法で打ち返してしまった。 

 

 これは我々のような「リスクコミュニケーション」を生業とする者からすると、最もやってはいけない「悪手」である。 

 

 もし被害を訴える女性たちとお酒を飲んだことも、性的関係を持ったこともないなら、「事実無根」という回答で問題がない。しかし、そうではない場合、「一緒に飲んだ女性が心の中で感じたこと」までを頭ごなしに否定するということになるので、「他人の心情まで支配できると考えている傲慢な人間」という悪印象を社会に与えてしまう。そうなると、冠番組をいくつも持つ「テレビ界のスター」というイメージが急速に崩壊して、日本人が大好きな「正義のリンチ」の格好の餌食になってしまうのだ。 

 

 さらに、このような対応がまずいのは、「敵」を一気に増やしてしまうということもある。 

 

 「被害者の訴えを頭ごなしに踏みにじる」というパブリックイメージが強く印象付けられると、「弱者」の味方である人権派ジャーナリスト、弁護士、そしてジェンダー平等などを訴える社会活動家の皆さんが即座に反応する。そして、ネットやSNSで続々と参戦し、反論できない松本さんをサンドバックのように叩き始めるのだ。 

 

 つまり、吉本と松本さんは「恐怖を訴える人がいる」というリスクの初動対応の段階で、「人の心の痛みを無視する」という致命的なコミュニケーションのミスを犯してしまったのである。 

 

 しかし、この「悪手」は、多くの企業でもやりがちだ。 

 

 

● 「顧問弁護士」vsリスクコミュニケーション専門家 

 

 例えば、パワハラやセクハラという「被害」を訴える人があらわれると、「事実無根」と冷たく突き放し、結果として社会から袋叩きにされる。なぜこんな初動対応をするのかというと、法務部門や顧問弁護士がそのようにアドバイスをするからだ。 

 

 筆者はこれまでさまざまな企業や著名人のネガティブ報道に対する対応のアドバイスを求められてきたが、必ずと言っていいほど意見が衝突するのが、顧問弁護士だ。 

 

 と言っても、弁護士先生たちが危機管理をわかっていないとか、そういう話ではない。目指している「ゴール」がまったく違うので、そこへのアプローチ方法もまったく噛み合わないというだけだ。 

 

 当たり前の話だが、弁護士は「法律のプロ」なので、この先にある名誉毀損などの訴訟を見据えている。とにもかくにも、そこが大事だと考えているので、クライアントに後々不利になるようなリスキーな発言をさせたくない。 

 

 だから、今回のような報道に対しては、沈黙を貫くか、血の通っていないコメントを出して、粛々と法廷闘争の準備をする。 

 

 一方、我々のようなリスクコミュニケーションの専門家は、後の法的闘争よりも今この瞬間、社会を敵に回してバッシングを受けないようなイメージ戦略を大事だと考える。 

 

 だから、沈黙や血の通っていないコメントをしないようにする。事実関係に関して明言ができないにしても、ファンや仕事関係の人々に対しての気持ちを伝える。そして紛争相手に対しても心配りの姿勢を見せることで、こちらの言い分にも耳を傾けてくれるような「シンパ」を少しでも増やすことを目指す。社会に対して「情」の部分でも共感が得られるような説明をして、集団リンチされることを避けるのだ。 

 

 もちろん、法を武器に争う弁護士先生たちにこういう話をしてもほとんど理解されない。当然、筆者の対応策は却下されて、顧問弁護士が用意した「事実無根であり、法的措置も検討します」という毎度おなじみの定型文がペラッと配布されるというワケだ。 

 

 そういう意味では、今回の吉本や松本さんの対応は、極めてオーソドックスな危機管理だったともいえる。 

 

 

● 筆者だったら吉本にこんな声明を書いてもらう 

 

 「そこまで言うのなら今回のケースでお前ならどうしたのか」と思うだろう。筆者だったら、まず松本さんのSNS発信を控えてもらう。企業不祥事で社長が謝罪会見している時、社員がSNSでまったく異なる話をしたら大炎上になるように「情報の窓口を一つに絞る」というのは危機管理の基本中の基本だ。 

 

 そして、次に必要なことは、恐怖の感情を一旦受け突めながら、自分の認識は違うということを丁寧に説明していくことだ。 

 

 筆者であれば、次のような声明を出すことをすすめるだろう。 

 

================== 

本日発売の一部週刊誌において、当社所属タレント ダウンタウン 松本人志(以下、本件タレント)の、8年前となる2015年における女性との性的行為に関する記事が掲載されております。 

 

松本本人に確認したところ、当該の飲み会があったということは記憶をしているものの、記事中で説明されていることは、松本や出席した他タレント側から見ても多数の事実誤認があるということです。 

 

また、記事内で女性側が松本の言動に「恐怖を感じた」と訴えていますが、こちらに関しても松本側にはそのような言動をした記憶は一切ないということです。 

 

記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するものです。しかしながら、恐怖を感じたという一般女性が誌面に登場したのも事実です。松本としても代理人を立てて事実確認等を続けながら真摯に対応をしていきたいと申しております。 

 

このたびの報道でファンの皆様や関係者に多大なご心配をおかけして申し訳ありません。今後は当事者間で話し合いを続けてまいりますので、松本と女性双方への誹謗中傷が起きぬよう、メディア関係者におかれましては、くれぐれも冷静かつ客観的な報道をよろしくお願いいたします。 

=================== 

 先月27日に吉本興業が発表したコメントと読み比べていただきたい。どちらも文春報道については否定をしているところは同じだが、女性の「恐怖を感じた」という感情までも否定しないことで、受ける印象はまったく異なるのではないか。 

 

 

● 筆者案と吉本が実際に出した声明では、何が違うのか 

 

 なぜこうなるのかというと、「法的措置を取る」という宣戦布告を避けていることが大きい。 

 

 このような攻撃的なコメントは、事実無根の風評などで株価が急落した企業などが株主対策で出したりするのは効果的だ。 

 

 しかし、一般消費者を相手にするBtoC企業や、松本さんのような「人気商売」の人が使うと逆効果である。「法的措置を取る」というのは「相手をつぶす」ということなので、親しみやすい、人に優しいというイメージの企業や個人ほど「え、そんな怖い人なの?」とギャップが際立ち、イメージが悪くなってしまうからだ。 

 

 「代理人を立てて対応する」というくらいの表現にとどめておけば、松本さん的には納得もいかないし、言いたいことは山ほどあるんだけれど、「一緒に飲んだ一般女性がそう言っているなら、そちらの心情を傷つけないようにしますよ」という度量の大きさも感じられる。「事実無根」の一言で突っぱねるより、男性としても、お笑い芸人としてもはるかにイメージがいいのでないか。 

 

 しかも、このように「女性が恐怖を感じた」ことへ一定の配慮のある声明を出していれば、「裁判に集中するために活動休止」というような苦渋の決断に追い込まれることもなかっただろう。 

 

 「当事者同士で話し合いをしており、その決着が出るまでは自分としては何も話すことはできない」ということを世間に対してしっかりと明言すれば、基本的にその間は「外野」がとやかく言う問題ではない。 

 

 報道のインパクト的に、しばらくはスポンサー離れも続くので番組の降板もあるだろうが、吉本は劇場もあるし、ライブやネット配信など、テレビから消えても今はいくらでも活動を続けられるはずだ。 

 

 と聞くと、「この低脳ライターめ!被害者がいるような性加害を指摘される人物をかばうのはセカンドレイプだということがわからないのか」と今すぐ筆者の横っ面を引っ叩きたくなる人も多いと思う。しかし、筆者は日本社会のためにも、松本さんは芸能活動を継続すべきだったと考えている。 

 

 というのも、「文春砲は正義の裁き」という誤った風潮がさらに広まってしまうからだ。 

 

 

( 130261 )  2024/01/19 12:32:42  
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いろんな視点からの意見が含まれていますが、全体としては以下のような傾向があります。

 

 

- 週刊誌やメディアに対する信頼が低いとする指摘が多く見られます。

 

- 性被害に関する問題について、女性に有利に働くケースがあるという懸念や批判が見られます。

 

- 裁判の前にメディアが一方的な報道をすることに対する疑問や批判が表明されています。

 

- ジャニー・デップの事件との比較や、文春の取材や報道に関する懸念が指摘されています。

 

- メディアの報道姿勢についての批判的な意見、特に週刊誌の信頼性に対する不安が多く見られます。

 

 

(まとめ)

 
 

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