( 130662 )  2024/01/20 13:31:08  
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飛行機の「ペット同伴」 SNSでどんなに批判されても、気にせず推進すべき理由

Merkmal 1/20(土) 6:11 配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/130391b4f529149ace6d5ba82606fcc59cf9e1d9

 

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1月2日に羽田空港で海上保安庁の航空機と日本航空の旅客機が衝突し、事故がきっかけとなりSNSを中心にペット同伴搭乗について議論が巻き起こった。

石田ゆり子さんやDaiGoさん、堀未央奈さんなど多くの有名人がペット同伴の導入を訴え、署名も4万人以上集まった。

一方で反対の声も存在し、国内外でのペット同伴の規定やサービスの変遷が示された。

ペット保有者の増加やペットにかける金額の増加など、ペット愛好家の増加が示された。

 

 

スターフライヤーは、国内線でペット同伴サービスの導入に成功し、将来的に他の航空会社もこのサービスを提供することが期待されている。

アジア地域では韓国などペット同伴サービスを提供する航空会社が多く、日本でもこのサービスを提供すれば競争原理により選択肢が増す可能性がある。

また、ペット同伴搭乗の拡大は訪日外国人の増加につながるため、観光立国としての成長に貢献するとされている。

(要約)

( 130665 )  2024/01/20 13:31:08  
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飛行機(画像:写真AC) 

 

 1月2日、羽田空港のC滑走路で海上保安庁の航空機と日本航空(JAL)の旅客機が衝突した。この事故で貨物室に預けられた乗客のペット2匹が死亡、これをきっかけに、SNSを中心に「ペット同伴」について多くの議論が巻き起こった。 

 

【画像】えっ…! これが自衛官の「年収」です(計12枚) 

 

 女優の石田ゆり子さんは 

 

「生きている命をモノとして扱う発想がどうしても理解できない」 

 

とペット同伴について賛意を示した。また、メンタリストのDaiGoさんや元乃木坂46の堀未央奈さんなど、愛犬・愛猫家たちがペットの死を悼み、客室へのペット同伴搭乗の導入を訴えた。また、オンライン署名サイト「change.org」では、事故を受けてペット貨物室積み込みの見直しを求める4万人以上の署名が集まった。 

 

 一方で、アレルギー体質の人や動物が苦手な人からは反対の声が殺到した。プライベートジェットを使うべきだという意見もあれば、機内のペットは手荷物扱いとし、緊急時に乗客と一緒に出られないようにするのが原則だと主張する人もいた。 

 

 旅客機の客室にペットを持ち込めるかどうかは、国によって大きく異なる。 

 

 日本の航空会社では、2000年代までは国際線の定期路線に限りペットの客室持ち込みが認められていた。しかし、シート電源などを設置する際にペットの収納スペースを確保するのが難しいことや、ペットの臭いやアレルギーに関する苦情が相次いだことから、サービスは縮小された。2005(平成17)年に全日本空輸(ANA)が持ち込み不可としたのを最後に途絶えている。 

 

 国際線が途絶えたのに対し、国内線ではもともと同様のサービスが存在していなかった。最初の試みは、2016年5月にANAが企画したペット同伴ツアーだった。2017年からはJALが同様のサービスを提供している。 

 

 国際線は消滅したが、国内線にはもともと同様のサービスは存在しなかった。最初の試みは2016年5月にANAが企画したペット同伴ツアーだ。このツアーでは、成田~釧路間で客室にペット同伴で搭乗できるチャーター便を利用した。JALは2017年から同様の企画を提供している。 

 

 

「FLY WITH PET!」(画像:スターフライヤー) 

 

 こうしたなか、スターフライヤー(福岡県北九州市)は国内線定期路線でペット同伴サービスを航空会社として初めて導入。2022年3月より、「FLY WITH PET!」を開始している。このサービスには次の条件がある。 

 

・ペットは各便1匹までとする 

・ケージの大きさは50cm×40cm×40cmとする 

・規定内であれば犬でも猫でも可 

・座席は最後列27列目の窓側(座席AまたはF)を利用。ケージはシートベルトで座席に固定しなければならない 

・飼い主はペットの隣の座席BまたはEに座り、フライト中にペットをケージから出すことはできない 

 

 サービス導入に先立ち、スターフライヤーは2021年から数回の検証飛行を行った。これをもとに、自社で備えるケージを毛が飛び散りにくい素材に変更するなどの対策を講じた。その結果、トラブルや苦情は報告されず、国内定期路線では初めて羽田~北九州線に就航した。 

 

 また2024年1月15日からは、国内線全路線にサービスを拡大している。 

 

「愛犬を連れての旅行を計画しているか」という質問に対する調査結果(画像:ペットメディカルサポート) 

 

 客室へのペット同伴搭乗は、今後、国内航空各社が導入することが期待される。その背景には、 

 

「ペットを家族として迎える人が増えている」 

 

ことがある。ペットフード協会(東京都千代田区)が発表した「全国犬猫飼育実態調査」によると、10年前の2013年には犬約871万4000頭、猫約840万9000頭だったのに対し、2023年には犬約684万4000頭、猫約906万9000頭になるという。犬の購入世帯数は減少し、猫の飼育世帯数は横ばい傾向にある。 

 

 一方、ペットにかける金額は増加している。調査によると、犬・猫ともに1か月あたりの総支出額は次のように推移している。 

 

・犬:2019年1万2594円、2023年1万6156円(128%) 

・猫:2019年7962円、2023年1万171円(同) 

 

 つまり、ペットの飼育頭数は減少しているものの、家族の一員であるペットにお金を惜しまない飼い主が増えているのだ。そのなかで、旅行先でもペットと一緒に出掛けたいという欲求が出てくるのは当然だろう。 

 

 2023年10月、ペット保険「PS保険」を提供するペットメディカルサポート(港区)は、「愛犬を連れての旅行を計画しているか」という質問に対する調査結果を発表した(全国の20~69歳の犬の飼い主571人)。 

 

・計画している:21% 

・具体的な計画はないが、行きたい:43% 

 

このふたつの回答を合わせると、全体の64%の飼い主が愛犬を連れて旅行に行きたいと考えていることになる。 

 

 

「わん!ケーション」(画像:JR東日本、西武ホールディングス) 

 

 別のデータも紹介しよう。 

 

 楽天グループ(世田谷区)が2023年4月に発表したデータによると、2022年の「ペット」というキーワードを含む宿泊プランの宿泊数は、コロナ禍前の2019年と比較して約1.3倍、「愛犬」というキーワードを含むプランの宿泊数は約1.6倍に伸びている。 

 

 この流れのなかで、「ペットツーリズム」は高い収益が見込めるサービスである。例えば、スターフライヤーはペット同伴の場合、購入者の航空券とは別にペット1匹につき5万円を徴収している。航空会社以外の業界もペットツーリズムに関心を寄せているが、やはり価格は高く設定されている。 

 

 2022年、JR東日本傘下のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるJR東日本スタートアップと西武ホールディングス(HD)が共同で企画した、新幹線ペット専用列車を利用した「わん!ケーション」が開催された。1泊2日でふたり1組10万6000円という高額ツアーにもかかわらず、18組35名、21頭の犬が参加した。往路の新幹線で約40分間、犬をケージから出すことができるこのサービスは、愛犬家たちから熱視線を送られた。 

 

 このように、ペット人口の増加にともない、ペット同伴旅行の需要を取り込むためのサービス開発は、旅客を扱うさまざまな業界のトレンドになりつつある。ペットツーリズムが拡大し続けるなか、国内航空会社にもペット同伴の客室旅行の依頼が増え続けることが予想される。 

 

羽田空港(画像:写真AC) 

 

 これまで述べてきたように、ペットツーリズムのニーズが見込まれる以上、今後、国内航空各社がペット同伴の搭乗サービスを導入するのは自然な流れだ。SNS上では、アレルギーやペットの臭いを恐れてペット同伴の搭乗を支持しない人も多い。しかし、スターフライヤーはこれらの問題を克服し、全路線に導入することに成功した。 

 

 つまり、SNSで叫ばれている懸念は取り越し苦労にすぎないのだ。他の国内航空会社がスターフライヤーに追随してこのサービスを開始すれば、 

 

「ペットと飛行機に乗るのは当たり前」 

 

という認識が広まるだろう。そのためには、単にペット同伴搭乗サービスを導入するだけでなく、利用客が利用しやすい価格設定を検討する必要がある。 

 

 アジア地域では、韓国がペット同伴搭乗サービスを提供する航空会社が最も多い。国内線のサービス料金は2万~3万ウォン(約2200~3300円)と安く設定されている。これは、ペット同伴の搭乗を考えた場合、多くの航空会社が選択肢を提供するという競争原理の結果である。日本でも多くの航空会社がペット同伴搭乗サービスを導入すれば、より安い運賃が実現し、それが当たり前の社会になっていくだろう。 

 

「緊急時にペットが一緒に逃げられない」のは、実はそれほど大きな問題ではない。1月4日付の『中日新聞』電子版は、羽田空港の事故を受け、ペット同伴搭乗を認めている外資系航空会社に緊急脱出時の対応を尋ねたところ、「ケース・バイ・ケースで当時のスタッフ判断による」「羽田空港の事故を受けて、現在担当部署が検討中」と回答した航空会社があったと報じている。 

 

「一緒に脱出できない」というのは単なる規制にすぎない。つまり、連邦航空局(FAA)の「緊急脱出90秒ルール(非常用脱出口の半分以下を使って事故発生から90秒以内に乗員乗客全員を脱出させなければならない基準)」に従い、ペットも含めて脱出できるシステムを作ればいいのである。 

 

 そこまでしてペット同伴搭乗を推進する意義は、インバウンド戦略にある。 

 

 アジア成長研究所の発行する『東アジアへの視点』34巻1号(2023年)に掲載された、佐賀大学の内山真由美氏・亀山嘉大氏の論文「ペット同伴搭乗サービスの現状と経済価値 -スターフライヤー台湾チャーター便の調査から-」では、国際線へのペット同伴搭乗は、インバウンド需要を喚起する付加価値サービスのひとつとして検討されている。 

 

 2023年来、お祭りの観覧席に座席を設けたり、食事を用意したりするなど、品質を重視し、外国人をターゲットにした付加価値サービスが何度か話題になっている。この流れは、訪日外国人の品質重視に呼応する形で発展してきた。 

 

 日本では、国内線でもペットと同伴して機内に搭乗でき、一緒に泊まれる宿泊施設などが充実しているという「付加価値」は、新たなニーズを掘り起こすことができるかもしれない(国際線でペットと一緒に入国できることが前提)。 

 

 特に、訪日外国人旅行者数でダントツ1位の韓国(2022年は101万2751人)は、ペットに対して非常に寛容な社会であり、有望な顧客として期待できる。ペット同伴搭乗の拡大は、愛犬家・愛猫家にとっての感情論ではない。日本が観光立国として成長するための手段のひとつなのだ。 

 

 だからこそ、たとえSNSで炎上しても、むしろそんなものは気にせず、ペット同伴搭乗サービスを進化させるべきなのだ。 

 

柏木ハンナ(航空ウォッチャー) 

 

 

( 130664 )  2024/01/20 13:31:08  
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飼い主たちは緊急脱出時にペットを置き去りに出来る自信があるのか?という議論があり、ペット同伴を容認する意見もあれば、懸念を抱く意見もあります。

ペットを飼っている愛犬がいる人でもペット同伴は反対する声や、海外ではペット同伴で宿泊出来るホテルもあるが、航空機で運送する場合の貨物室の環境やアレルギーや医療措置を受けられない上、搬送にも時間がかかることを懸念する声が見受けられます。

また、動物を家族としていたとしても、飛行機に乗りたいペットなどほとんど居ないのでは、といった意見もあります。

また、旅行したい方は諦めて行かない選択肢はないのでしょうか?とペット同伴に対する疑問の声もありました。

ペット同伴が可能なお店や宿泊施設があっても、隣の席にペットがいる状況でアレルギーや動物嫌いの人が不安を感じることが指摘されています。

検疫上の問題やペット同伴によって航空会社に責任が帰することが増える可能性についても指摘がされています。

リスクと配慮を重視する声が多く、ペット同伴には賛否があることがわかります。

(まとめ)

 
 

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