( 130889 )  2024/01/21 12:19:51  
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薗浦健太郎・前衆院議員 

 

 政治資金パーティーの収入を過少記載するなどしたとして、政治資金規正法違反で有罪が確定した薗浦健太郎・前衆院議員(51)が、国が国会議員に支給する調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)を自身のマンション家賃や税金などの支払いに充てていたことが刑事確定記録でわかった。 

 

【図表】一目でわかる…収入過小記載疑惑の構図 

 

 旧文通費は、国会法と歳費法を根拠に、国政に関する調査研究などに充てる経費として、国会議員の給与に当たる歳費とは別に、各議員に月100万円が支給されている。使い残した分を国庫に返納したり、使途を明らかにしたりする必要はない。 

 

 確定記録によると、薗浦氏の元政策秘書(81)(政治資金規正法違反で有罪確定)は東京地検特捜部の聴取に、旧文通費を「政治資金収支報告書に計上しにくいものを含めた様々な用途に使っていた」と説明。秘書になった2005年以降、新たに開設した口座で旧文通費を管理していたという。 

 

 元政策秘書は、この口座から、薗浦氏が自宅とは別に家族と過ごすマンションの家賃のほか、薗浦氏の国民健康保険料や国民年金保険料、住民税などの公租公課を支払っていたと供述。「事務所の収支、資金残高、資金移動等について財務状況を把握し、薗浦氏に報告していた」と説明していた。 

 

 薗浦氏は取材に「私的な支出を立て替えた場合には、歳費から差し引いていたものと認識している」とメールで回答した。 

 

 旧文通費を巡っては、21年10月31日の衆院選で初当選した議員に、同月分として満額の100万円が支給され、批判が集まった。与野党が改革に向けて協議し、22年4月の国会法と歳費法の改正で「日割り支給」に変更。目的は「公の書類の発送や通信」から「国政に関する調査研究」となったが、使途の公開や未使用分の返納は見送られた。 

 

 「政治とカネ」の問題に詳しい谷口将紀・東大教授(政治学)は薗浦氏側の支出について「ここまであからさまな私的利用が明らかになるのは初めてではないか」とした上で、「自民党派閥のパーティーを巡る事件で、政治とカネに対する国民の不信は高まっている。議員個人が政党から受け取る『政策活動費』も含め、使途を公開する制度改革が急務だ」と話している。 

 

 

 
 

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