( 131500 ) 2024/01/22 23:51:22 0 00 新機種はパチンコファンの心を掴むか(イメージ)
現在パチンコ業界において大きく注目されているのが、「ラッキートリガー」という新機能。今年3月以降にホール導入されるパチンコ機から搭載可能となる「ラッキートリガー」とは、現行機種に搭載されているRUSH(大当たりが続いて出玉が増える状態)の性能を高めたものだ。
【画像】見た目上の図柄揃い確率は約1/399 『P緋弾の少女アリア 緋緋神降臨 ラッキートリガーVer.』のスペック
現行機種では、RUSH時の期待獲得出玉数は初回大当たりの出玉をのぞいて6400個未満となっているが、「ラッキートリガー」と呼ばれる状態では、初回大当たりの出玉をのぞいて期待獲得出玉数が9600個未満となる。
パチンコに詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏が説明する。
「ラッキートリガーの登場で、パチンコの出玉規制が大幅に緩和されるかのように見えますが、そういうわけではありません。これまで通り、射幸性が高くなりすぎないように出玉性能を制限しながら、その範囲内でラッキートリガーという一時的に出玉性能が高い状態を作ることが可能になったということです。
ラッキートリガーを搭載するにはいくつかの条件があり、現在のメイン機種となっている“ミドルタイプ”の場合、その条件をクリアできず、基本的には搭載が難しいとされています。
実際にラッキートリガーが搭載されるのは、大当たり確率の1/200程度の“ライトミドルタイプ”や、さらに大当たり確率が高い“甘デジ”になります」
ラッキートリガーが搭載されることで、パチンコ機の多様性が広がりそうだといわれている。
「ラッキートリガーを上手く活用することで、かなり個性的な機種が登場しそうです。たとえば、3月4日にホールデビュー予定である藤商事の『P緋弾の少女アリア 緋緋神降臨 ラッキートリガーVer.』という機種は、“MAXタイプ”に近いと話題です」(藤井氏、以下「」内同)
パチンコのMAXタイプとは、大当たり確率が約1/399で、ひとたび確変(RUSH)に入れば大量出玉が期待できるという射幸性の高い機種だ。現在のホールには設置されていない。
「MAXタイプが登場し始めたのは2005年頃だったと思います。当時の出玉規制の中の最大限のスペックということで、MAXタイプ、MAX機などと呼ばれていました。機種によって性能に違いはありますが、大当たり確率を規制いっぱいまで下げて、その分確変(RUSH)に入った時の期待出玉を増やすというのが基本です。射幸性の高さゆえに、ホールでも人気機種となっていました。
しかし、2015年11月にスペックに関するルール変更があり、大当たり確率の下限が1/320に変更され、射幸性が高すぎるMAXタイプはホールから消えていきました」
『P緋弾の少女アリア 緋緋神降臨 ラッキートリガーVer.』は、そんなMAXタイプに近いスペックになっているというのだ。
「同機の実際の大当たり確率は1/192.7ですが、液晶画面上で図柄が揃うのは実際の大当たりの約半数となっていて、その確率は1/399.9。図柄が揃った大当たりが、一定の確率で通常のRUSH、ラッキートリガー、時短に振り分けられるという形です。
見た目上の図柄揃い確率が約1/399で、爆発力の高いラッキートリガーを搭載しているという意味で、たしかにMAXタイプに近いものだと言えます。
とはいえ、当然ながら現在の出玉規制の範囲内の機種なので、かつてのMAXタイプほどの爆発力は実現できていないと思われます。この手の機種は実際にホールに導入されてみないとわからない部分も多いのですが、“図柄揃い確率が約1/399”というハイリスクに見合うだけのリターンがあるかどうかによって、ユーザーの支持も変わってくるでしょう」
では、かつてMAXタイプを好んで打っていた人々は、ラッキートリガーの登場をどう考えているのか。
都内に住む自営業のAさん(40代男性)は、『CR牙狼』や『CR花の慶次』といった、2000年代後半に人気を博したMAXタイプを好んで打っていた一人だ。
「なかなか初当たりは引けないけど、一度確変に入って続いたときの『どこまで出るんだろう』というワクワク感がたまりませんでした。何万円入れても全然当たらないこともあったし、やっと確変に入れたのにすぐに終わって絶望したこともありましたが、『とりあえず確変引いて、連チャンしまくれば、巻き返せる』という期待感で打っていました」(Aさん)
そんなAさんは、かつてほどではないものの、今でも定期的にパチンコを楽しんでいる。ただしラッキートリガーについては、「そこまで興味がわかない」と話す。
「最近の機種は、僕にはスペックが複雑に感じるんです。昔のMAXタイプなら『確変に入れば、あとは終わるまで出続ける』といった感覚で、わかりやすかった。
でも、最近の機種はRUSHが複数種類あったり、演出も複雑だったりして、よくわからない部分も多い。ラッキートリガーについても、何がすごいのかまだあまり理解できていないので、MAXタイプを再現できると言われても、すぐに飛びつくような感じではありません。昔のMAXタイプくらいシンプルな作りだったら打つかもしれませんが、とりあえず様子見です」(Aさん)
一方で、神奈川県在住の会社員Bさん(30代男性)は、ラッキートリガーに「期待している」という。
「個人的にはハイリスクハイリターンの機種は結構好きで、MAXタイプもよく打っていました。最近も比較的“出玉の波が荒い”機種を打っています。ラッキートリガーでそれ以上に波が荒い機種が出てくるなら、ぜひ打ってみたいと思います。やっぱりMAXタイプのドキドキ感はもう一度味わいたいなと。
とはいえ心配なのは、実際の出玉性能がどれくらいなのかということです。今の出玉規制だと、昔のMAXタイプほどの爆発力は難しいはず。となると、とんでもなく負けてしまうかもしれないわけで、そう考えるとちょっと怖い。ラッキートリガー仕様のMAXタイプが登場したら、大負け覚悟でとりあえず打ってみると思いますが、ハマるかどうかはなんとも言えないところです」
ラッキートリガーを搭載したパチンコ機がヒットするかどうかは、もう少し先にならないとわからないと、前出の藤井氏は話す。
「パチンコやパチスロのスペックに関するルールが変わった後、新たな機能が登場した場合、すぐにそのまま定着するということはまずありえない。
最初に登場する数機種は、いわば“実験”のようなもので、そこでユーザーの反応を見て、徐々に支持されるスペックが固まっていくものです。ラッキートリガーについても、MAXタイプに近いスペックが話題ですが、これがヒットするとは限らず、もっと別の形でこの機能を活かした機種が支持を拡げる可能性もあります。
実際にラッキートリガーがパチンコのトレンドにどんな影響を与えるかは、2024年の年末ぐらいになってやっと判明するのではないかと思います」
いずれにしろ、3月以降にラッキートリガーを搭載したパチンコ機が続々とホールデビューすることは間違いない。かつてのMAXタイプのファンたちが喜ぶ姿が見られるのだろうか。(了)
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