( 131838 )  2024/01/24 00:24:45  
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大化けする株に投資できれば新NISAの非課税枠を最大限活用できる(イメージ) 

 

 1月に始まった「新NISA(少額投資非課税制度)」には、スタートとともに多くの人々が資金を投じ、市場は活況を呈している。始めるタイミングを逸したと思っている人もいるかもしれないが、悲観する必要はない。巷で「安全銘柄」と推奨される投信・銘柄ではなく、真に資産増が期待できる投資先は今からでも選べる。 

 

【表】新NISA「つみたて投資枠」「成長投資枠」で狙いたい大化け期待銘柄 

 

 新NISAでは、2つの金融商品に投資先としての人気が集中している。 

 

 1月9日には、“オルカン”の通称で知られる投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」への1日の資金流入額が1000億円を突破した。2023年12月の1か月間の流入額とほぼ同額を、たった1日で集めたのだ。 

 

 続くのが、同じシリーズの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」。オルカンが米国株を中心に全世界の株式に分散投資するのに対し、こちらは米国の主要500社に分散投資する。 

 

 いずれも好調な米国株が牽引して人気を二分している恰好だが、ファイナンシャルプランナーの藤川太氏(家計の見直し相談センター代表)はこう指摘する。 

 

「新NISAの最大のメリットは、本来は投資の運用益や配当益にかかる約20%の税金が非課税になること。非課税保有期間も無期限になり、そのメリットを最大限に活かすには、運用益を最大化することです。その前提に立てば、より“攻めの姿勢”でオルカンやS&P500以上の大きなリターンが見込める他の投資先に視野を広げてもいいのではないか」 

 

 より「ハイリスク・ハイリターン」を求める場合、まず選択肢となるのは人気商品を上回る運用実績を持つ商品に投資することだ。 

 

 オルカンのリターン(年率)は過去1年で約30%、5年で約17%。S&P500は1年で約37%、5年で約21%だ。 

 

「米国の世界的なIT企業100社で構成される『NASDAQ100』に連動するファンドは、1年で約65%、5年で約28%と高いリターンとなっています。なかでも運用期間中の管理費用が低い〈購入・換金手数料なし〉ニッセイNASDAQ100インデックスファンドは注目に値します。昨年3月の設定で運用実績はまだ6か月分しかないですが、中身は他のNASDAQ100ファンドと同様で高いリターンが期待できる」(藤川氏) 

 

 投資対象を絞っているぶん下落リスクが高くなる面もあるが、仮に月10万円を積み立て、過去5年と同じリターン28%で運用できた場合、12年後に資産1億円を超える計算となる。リターン17%のオルカンなら1億円達成まで17年かかる。 

 

 

 もちろん、ファンドのリターンはあくまで過去の実績であり、将来も同率が保証されるものではない。であれば、過去の実績より「この先どれだけ増えるか」という期待の大きさで選ぶ手もある。 

 

 新NISAには、年間120万円までの「つみたて投資枠」と、年間240万円までの「成長投資枠」がある。つみたて枠は金融庁の基準を満たした投信など280本(1月4日時点)に限定され、オルカンなどが含まれる一方、前述のNASDAQ100ファンドは含まれない。 

 

「つみたて投資枠では、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)も注目です。米国株は割高感が強く、日経平均株価もバブル後高値更新が相次ぐが、TOPIX(東証株価指数)は出遅れていて割安感がある。連動するファンドのなかでもこの商品は管理費用が安い」(藤川氏) 

 

 すでにオルカンなどの積立投資を始めている人も、つみたて投資枠の銘柄変更は随時可能だ。 

 

「現状の米国株の割高感を警戒してつみたて枠ではTOPIXを保有し、成長投資枠ではNASDAQ100を保有する組み合わせも有力な選択肢となります」(藤川氏) 

 

 成長投資枠は対象商品が多いので、より広い視野で投資先が選択できる。 

 

 カブ知恵代表の藤井英敏氏が挙げるのは、東証グロース250ETFだ。 

 

「AI時代が本格化するなか、AI関連の有望企業に分散投資できるETF(上場投資信託)です。成長投資枠では、より期待リターンの高いETFや個別銘柄に資産を投じるとよいでしょう」 

 

 リスク覚悟で大きなリターンを狙う人向けに、藤井氏がこう指摘する。 

 

「生成AI向けクラウドサービスで経済産業省の認定を受けたさくらインターネットは、経済安全保障という国策が追い風。『国策に売りなし』の相場格言の通り、株価は2年で4倍も見込めると私は予測しています。 

 

 他にも半導体関連のソシオネクストは要注目です。ラーメンチェーンの魁力屋は積極的な出店攻勢をかけていて、時価総額が130億円前後と小さいので値動きも速く、株価は2年で3倍になっても不思議ではない」 

 

 グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏は、大化け銘柄の選び方をこう語る。 

 

「時価総額が小さく、かつ技術力や販売力などに大きな強みを持つ企業は、将来的に株価10倍も目指せるような大化けが期待できます。例えば、ガス・水道メーターで国内最大手の愛知時計電機は、スマートメーターへの移行が大きな追い風となる。電気用のスマートメーター普及が進むなか、ガスや水道用の普及率は1%に満たない。拡大の余地は極めて大きく、大きな期待が持てます」 

 

 藤川氏、藤井氏、戸松氏の注目商品・銘柄は別掲表の通り。新NISAのチャンスを最大限に活かすために、大いに参考になるのではないだろうか。 

 

※週刊ポスト2024年2月2日号 

 

 

 
 

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