( 133021 )  2024/01/27 15:25:43  
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スターフライヤーはペット同伴サービスを実施 

 

 2024年1月2日、羽田空港で日本航空516便と海上保安庁の航空機が衝突する事故が発生。1月19日には国土交通省で事故に対する委員会が初開催されるなど、事件に関する調査が進められています。 

 

【画像】ペットを機内に乗せている様子 

 

 そんな中、SNS等で話題に上ったのがペットへの対応です。今回の事故では日本航空の貨物室にいたペット2匹が犠牲となりました。 

 

 ネット上では人命を最優先とする姿勢は理解しつつも、生き物が“モノ扱い”されている点に割り切れない感情を抱える人が見受けられました。さらに芸能人などもテレビ番組やSNSアカウントで自身の意見をコメントしています。 

 

 動物愛護家として知られる坂上忍さんは「動物を貨物扱いするのは僕もそりゃ好きじゃないです」としつつ、「同等扱いしてくれるに越したことはないけど。そもそも人命第一なわけでしょ」「航空会社をどうのこうのとは僕は思わない」と意見を述べています。 

 

 その折に注目されたのが、スターフライヤーのペット同伴サービス「FLY WITH PET!」です。 

 

 こちらは追加料金を支払うことで指定のケージに入る小型の犬か猫1匹を客室に持ち込めるサービスです。機内では基本最後列の窓側に飼い主とペットが隣り合って搭乗、飛行中もペットの様子を確認できます。2022年に一部路線で導入され、2024年1月15日からは国内線全路線での利用が可能となりました。 

 

 ただし「ペットの健康状態が良好であること」「鳴き声など他のお客様のご迷惑にならないよう、充分にトレーニングされていること」などが条件に含まれる他、緊急時にはペットを機内に置いて行く旨が明記されています。 

 

 それでも大切なペットと一緒に旅客機を利用できるため、年明け前には「沖縄とか一緒に行きたいなー」「利用したい」といった肯定的な反応が多数寄せられていました。 

 

 容易に結論は出せないペットの旅客機利用。ねとらぼではスターフライヤーに事故後の変化について話を伺ってみました。 

 

 

 スターフライヤーによれば、正月の事故以降も「特に利用者が増えたり減ったりといった大きな変化は無い」そうです。一方「事故後にサービスに関する問い合わせや意見はいただいた」とのこと。事故後のサービスにおける注目度が伺えます。 

 

 サービスの利用件数を聞くと、1日1件程度のペースで利用者があるようです。実際に利用した人からは「ペットを伴った移動が新幹線や車に限定されており、大変だったため助かった」「貨物室に入れられることにより、不安があったが一緒に乗れることで安心できる」といった感想をもらっているそうです。 

 

 また、他の利用者にも気持ちよく利用してもらうため、スターフライヤーではいくつかの対策を行っています。 

 

 まず予約サイト上で「ペットがいるかもしれないこと」を記載しています。さらに当日フライト前にも確認を行い、必要に応じて座席の変更を行います。また、どうしても該当機の利用が難しい場合、無料で別便に変更するなどの対応も行っています。 

 

 さらに医者、獣医師ら指導の上でアレルギー対策を徹底しています。そのため、導入以来特に大きなトラブルは発生していないそうです。また、ペット同伴サービスの利用者は客室最後部に配置されるため、機内にペットがいるのに気づかない利用者も多いそうです。 

 

 今回のペットに関する議論については、スターフライヤーも認識しており「ペットと共生することについて、議論が深まることを期待している」と考えています。一方で「監督官庁の指示もあるため、弊社だけでの判断はできない」「現在は現行のルールの中で、最大限サービスを実施している」との回答をいただいています。 

 

 価値観が多様化している現代において、ペットはこれまで以上にかけがえのない存在になっています。それだけに、引っ越しや治療といったさまざまな事情からペットを遠隔地に連れて行きたいケースも増えていくでしょう。 

 

 ただし「緊急時に人命を何より尊重する」という原則の中に“ペットの命”を追加する場合、さまざまな要件を含めた議論を避けては通れません。 

 

ねとらぼ 

 

 

 
 

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