( 133811 )  2024/01/29 23:49:42  
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ベストカーWeb 

 

 2024年1月29日、豊田自動織機は、昨年から問題になっていたフォークリフト、建設機械用エンジンの国内排出ガス認証不正について調査を委託した特別調査委員会から、報告書を受領。ここに大変な報告があった。報告書によると、トヨタが認証申請手続き用に豊田自動織機へ委託した「自動車用ディーゼルエンジン3機種」の出力試験において、違反行為があったとのこと。当該エンジンの搭載車種はグローバルで10車種(うち日本国内6車種)。この報告を受けて、豊田自動織機は対象のエンジンの出荷を一旦停止すること決定、それにともない、トヨタとしても該当エンジンが搭載された車両について出荷を一旦停止することを決定した。出荷停止車両はハイエース、ハイラックス、ランドクルーザー300などの人気車も含まれる。 

 

【画像ギャラリー】ハイエース、ランクル、ハイラックスなど出荷停止全車種リスト(6枚) 

 

文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ 

 

 今回の報告書で明らかになったところによると、豊田自動織機は、出力試験時に、量産用とは異なるソフトを使ったECUを用いてエンジンの出力性能を測定し、測定する数値が安定するようにバラつきを抑えて報告する行為が行われていたとのこと。 

 

 上述のとおり、該当するエンジンが搭載された車両は、グローバルで10車種(うち日本6車種/リストは下記に掲載)。 

 

 なお、該当するエンジン/車両については、工場で生産した量産品を改めて検証し、エンジン出力の規準を満たしていることは確認しているそうで、トヨタ自動車によると、「ただちに使用を停止していただく必要はございませんが、該当車両をご愛顧いただき、長らくお待ちいただいているお客様をはじめとする全てのステークホルダーの皆様に多大なご迷惑・ご心配をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。」とのこと。 

 

 【今回の不正発覚で出荷停止になる車種一覧】(1GD系、2GD系、F33A系) 

■ランドクルーザープラド……販売開始時期/2020年8月(生産終了) 

→仕向け地…日本、欧州、中東、アフリカ、アジア 

■ハイエース/グランエース/ボンゴブローニイバン(マツダ) 販売開始時期/2017年12月~ 

→仕向け地…日本、欧州、中東、アジア 

■ダイナ/デュトロ(日野) 販売開始時期/2021年5月~ 

→仕向け地…日本、アジア 

■ハイラックス 販売開始時期/2020年5月~ 

→仕向け地…欧州、中東、アジア、アフリカ 

■フォーチュナー 販売開始時期/2020年5月~ 

→仕向け地…欧州、中東、アジア 

■ハイラックス 販売開始時期/2020年5月~ 

→仕向け地…日本 

■イノーバ 販売開始時期/2020年7月~ 

→仕向け地…アジア 

■ランドクルーザー 300 販売開始時期/2021年8月~ 

→仕向け地…日本、欧州、中東、アジア、アフリカ 

■LX500d 販売開始時期/2022年1月~ 

→仕向け地…欧州、中東、アジア 

 

 おおむねトヨタ製のディーゼル搭載車(かつ中型以上)の全車種といってよく、ランクル300やLX500のディーゼル仕様など、納車待ちが3年以上で新規オーダーをストップしている車種も含まれる。 

 

 今回生産(出荷)が停止することで、納車待ち期間がさらに伸びることは免れないだろう。またハイエースなど人気の高い商用バンも出荷停止リストに入っており、商売に利用するユーザーにとっては大きな痛手となる。 

 

 自動車専門メディアはメーカーとユーザーを繋ぐ架け橋となる存在意義がある。だから軽々にこういうことを書きたくはない。ないが、書きます。日野、ダイハツに続いて、豊田自動織機の不正が明らかになったことで、さすがにこれは「トヨタグループ自体に、問題を起こす何かがあるのではないか」と考えざるをえない。これが「トヨタグループだから見つかった問題」なのか、「トヨタグループだから生まれた問題」なのか、調査と究明が待たれる。 

 

 

 
 

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