( 134431 ) 2024/01/31 15:00:41 0 00 父の遺品整理をしていたら800万円の「タンス預金」を発見! 兄が「申告しない。現金なら絶対バレない」と言い張りますが、脱税にならないでしょうか…?
親が亡くなり遺品整理をしていたら大量の現金が出てきた、という経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。いわゆる「タンス預金」と呼ばれるもので、遺品のなかにあった場合は税務署への申告が必要になります。ただ、「現金なら申告しなくてもバレないのでは? 」と感じてしまうかもしれません。
本記事ではタンス預金が税務署にバレる仕組みやバレた場合のペナルティについて解説します。
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「タンス預金」とは、広い意味で自宅に現金を保管しておくことを意味します。
昔はタンスに現金を保管しておくことが多かったためこのように呼ばれますが、タンスに限らず、自宅の金庫やクローゼットなどに現金を保管していても同じ表現が使われます。
「タンス預金=悪いこと」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、原則としてお金をどのように保管するのかは個人の自由です。そのため自分のお金を銀行口座ではなく全て自宅に保管していても何も問題はありません。
タンス預金をしていれば、銀行の窓口やATMに行くことなく現金を用意でき、緊急時や災害時に役立つこともあるでしょう。銀行の倒産を心配する必要がないというメリットもあります。
タンス預金をしていた人が死亡した場合、残された家族はタンス預金の扱いに注意しなければなりません。一番してはいけないことは、「何もせずそのまま現金をもらうこと」です。見つかったタンス預金は相続財産に含まれるため、税務署に申告する必要があります。
タンス預金を見つけたにもかかわらず、申告せずにこっそりもらった場合、無申告と判断されて次のようなペナルティが科される可能性があります。
・無申告加算税 申告の必要があるにもかかわらず期限までに申告を行わなかった場合に課されるものです。納付すべき税額に対して、50万円までの部分に15%、50万円を超える300万円までの部分に20%、300万円を超えると30%の税率をかけた金額を支払わなければいけません。
・重加算税 故意に相続したお金を隠蔽(いんぺい)したり仮装(ないものをでっち上げること)したりした場合に課されるものです。税率は35%から40%と、重いペナルティとなっています。
「現金であればこっそりもらってもバレないのでは? 」と考える人もいるかもしれません。しかし、タンス預金は税務署にバレると考えていた方が賢明です。
なぜなら国は国税総合管理(KSK)システムを導入しているからです。KSKシステムとは、全国の国税庁と税務署をネットワークでつないだシステムであり、国民の納税状況などを一元管理しています。
このシステムにより個人の所得や財産などはおおよそ把握されています。亡くなった人の収入や財産と申告した相続税に明らかに差がある場合、税務調査の対象となる可能性があります。
亡くなった親がタンス預金をしていた場合、残されたお金は相続税の課税対象となります。
「現金ならバレるはずがない」という考えがよぎるかもしれませんが、税務署はKSKシステムにより国民のお金の動きを把握しています。申告せずにそのままもらったり放置していたりすると、無申告加算税や重加算税などのペナルティが科される可能性があります。
タンス預金はこっそりともらわずに、きちんと税務署に申告しましょう。
出典 国税庁 No.4105 相続税がかかる財産 国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき 財務省 納税環境整備に関する基本的な資料
執筆者:山田麻耶 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部
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