( 134830 )  2024/02/01 15:26:10  
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写真提供: 現代ビジネス 

 

 2023年末から続く、「ダウンタウン」松本人志をめぐる一連の騒動。 

 

 松本は5億5000万円の損害賠償を求めて「週刊文春」側を提訴したが、文春側も被害女性による新たな告白記事を続けるなど、騒動はいまだ収まる気配がない。 

 

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 ここまで騒ぎが大きくなった要因として吉本興業の対応の拙さが指摘されているが、迷走する古巣の現状に対し、吉本興業を全国区に押し上げ「ミスター吉本」と呼ばれたOBは何を思うのか。 

 

 横山やすし・西川きよしのマネジャーを長く務めた後、ゼロから東京事務所を立ち上げ、部下だった大崎洋氏(吉本興業前会長)とともに漫才ブームを支えた元吉本興業常務の木村政雄氏に話を聞いた。 

 

 ――松本人志さんによる性加害疑惑をめぐる騒動をどう受け止めていますか。 

 

 「まだそんなことをやっているんか。これが率直な思いです。松本くんも自分の社会的なステータス、影響力みたいなものを考えないといけなかったんじゃないですかね。 

 

 一方で、それを正す人間が社内なり周囲にいなかった。松本くんにとっては、これが不幸なことだったかもしれません。 

 

 昔の芸人さんもよく遊びましたが、もっときれいに遊んでいました。素人の子にどうのこうのなんてね。昔はあまりなかったと思います」 

 

 ――吉本興業の後手後手の対応が目立ちました。古巣の対応をどう評価していますか。 

 

 「難しい判断だったとは思います。ただ、最初の対応で『事実無根』というコメントを出してしまったのは軽率だったと思います。 

 

 昔であれば、『しょせんお笑いですがな』というところもありました。芸能界の中でもヒエラルキーがあり、当時は役者さんなどに比べると、お笑いの地位は低かった。 

 

 しかし、会社の規模としてはどうかわかりませんが、僕がいたときよりも会社の知名度やステータスは上がっており、世間への浸透度も高くなっています。当然、企業としては社会的な責任みたいなことを感じないといけないですね」 

 

 ――報道の真偽は別として、被害を訴えている女性がいるという報道が出た時点で、会社としてしかるべき対応をすべきだったということですか。 

 

 「そりゃそうですよ。昔はそうしたマスコミもなかったし、お笑い界なんていうのは芸能界の端っこでした。それでも社会的な責任があるということは、いまも昔も変わりません」 

 

 木村氏は故・横山やすしに「契約解除」を通告した経験がある。やすしは度重なる不祥事による謹慎が明けた直後にもかかわらず、飲酒運転で人身事故を起こしてしまった。 

 

 契約解除自体は当時の上層部が決めたが、やすし本人に伝える難しい役目は、自ら名乗り出た木村氏が行った。 

 

 ――不祥事で横山やすしさんが解雇されたときは当事者でしたね。 

 

 

吉本興業社長の岡本昭彦氏(Photo by gettyimages) 

 

 「横山やすしさんの件では、当事者として関わりました。いくら愛すべきキャラクターだったとはいえ、あれだけの問題を起こしたらね。苦渋の決断ではありましたが、会社としては契約解除という決断をするしかなかった。 

 

 そうした選択をするとき、会社が優先すべきことはタレントを守ることではない。それはそうです。お客様あってのものです。 

 

 僕個人として複雑な思いもありました。謹慎期間中は、『絶対に復帰できるから頑張りましょう』と元気づけていました。やすしさんは年上でしたが、その期間に深く話をする機会があり、関係も深まったと思います。それでも決断しなければいけなかった」 

 

 ――騒動の発生当初、松本さんが『ワイドナショー』(フジテレビ)への出演を宣言したこともありました。報道が出た時点で、活動を自粛するべきだったと思いますか。 

 

 「絶対にそうですね」 

 

 ――現在の経営陣をどう評価していますか。 

 

 「僕と彼らでは世代も違いますからね。僕はやすきよさん、(桂)三枝さん(現:文枝)、(明石家)さんまくん、(島田)紳助くんまで。 

 

 いまの(吉本興業社長の)岡本(昭彦)くんにしても、(吉本興業副社長の)藤原(寛)くんにしても、(ダウンタウンの)元マネジャーですよね。マネジャーとはいえ、意見を交わして対等に話していたわけではない。完全に付き人化していたわけでしょ。 

 

 同じ元マネジャーでも大崎くんの場合、彼が自分で(ダウンタウンを)発見して力を入れたということがありましたが、その後の彼らは違います。社長の岡本くんだって、松本くんからすれば『岡本! 』っていう感じでしょ。その辺はあるでしょう」 

 

 ――OBとして現経営陣にアドバイスしたいことはありますか。 

 

 「いやいや」 

 

 ――本誌の取材に対し、大崎さんは「忙しいときにOBから『どうだ? 』と電話されるのも嫌でしょう」と話していました。実際にはわかりませんが。 

 

 「そうでしょうね。連絡は取っていると思います。一番長くマネジャーをやった人間ですからね。 

 

 ただし、客観的に見て、松本くんの年齢は60歳でしょう。それはやめたほうがいいと思いますね」 

 

 ――芸能界を、ですか。 

 

 「はい。芸能界をやめたほうがいい。やることはやったんだし、もういいじゃないですか。 

 

 たとえば紳助くんがやめましたよね。もっと前では、やすしさんもやめた。そういうもんでしょう」 

 

 今回の騒動が起こる前に、そもそも松本の暴走を止める人間はいなかったのか? 相方・浜田雅功との「本当の仲」はどうだったのか?  

 つづく記事『松本人志は「引退すべき」…吉本興業の大物OBが明かす「見て見ぬふりをする」先輩芸人たち』では、松本が“裸の王様”と化した背景などについて、赤裸々に語っています。 

 

週刊現代(講談社) 

 

 

 
 

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