( 135548 )  2024/02/03 15:42:28  
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 最初にお断りしておく。私はこの事案について、現時点ではどちらの当事者の立場にも立っていない。もし性加害があったのなら許しがたいし、一方で冤罪によって選手生命が絶たれるようなことがあってもいけない。 

 

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 しかし事実関係がわからないので、どちら側にも立てない。 

 

 その前提の上で、今回、週刊新潮に〈サッカー日本代表の「イナズマ」が刑事告訴された「伊東純也」の“準強制性交”〉と報じられ、二転三転の末先ほど日本代表からの離脱が決まった伊東純也選手の代理人弁護士、加藤博太郎弁護士に急遽話を聞いた。 

 

 ――そもそも加藤弁護士がこの事件に関わることになったのはいつだったのですか?  

 「先週土曜日(1月27日)です。週刊新潮から取材を受けて動転していた伊東選手側から急に連絡があり、それまでの弁護士から変えて、私に依頼したいとのことでした」 

 

 ――今回、週刊新潮に性被害を訴えた女性たちを虚偽告訴罪で刑事告訴したというニュースが大きく報じられていますが、そもそも週刊新潮の発売自体を止めようとはしなかったのですか?  

 

 「実は1月30日付で『出版禁止等仮処分命令申立』を行って、伊東選手に関する記事を削除しないままに週刊誌を発売することを止めようとしましたが、伊東選手からの依頼が発売直前で、できる限りのことはしたのですが、時間切れとなってしまい、週刊新潮が発売されてしまいました」 

 

 ――しかし虚偽告訴罪での刑事告訴は、仮に女性側の主張が正しかった場合には性加害を受けた被害者をさらに追い詰めることになり、強く批判されかねません。それでも虚偽告訴罪を訴えたのはなぜですか。 

 

 「もし性加害の事実があって虚偽告訴罪の刑事告訴をしたら無茶苦茶、心証が悪いわけですよ。そのリスクを伊東選手に説明しましたが、『絶対にしていない』と。そして客観証拠とも矛盾しているとも考えました。 

 

 刑事告訴は法律上、捜査機関は出されたら受理しないといけないのが原則です。でもその受理だけで一方的に犯人扱いされて、不起訴になるまで延々と試合に出られないのはおかしい。それではこうした事案では男性が一方的に不利になってしまうので、虚偽告訴罪の刑事告訴によってきちんと言い分を述べて、少しでも伊東選手の名誉を回復しようと考えました。 

 

 もし性加害で逮捕された、強制捜査を受けたと言うなら非常に問題ですが、『刑事告訴が受理された』というだけで、それが週刊誌にリークされ、社会的に抹殺されていいのか、という疑問を持っています。そのことは私から日本サッカー協会にも伝えて、日本代表から外さないよう申し入れました」 

 

 ――いま、誰もが注目しているのは、「本当に週刊新潮に報じられた事実があったのかなかったのか」「なかったとしたら、それは性的行為がなかったという意味なのか、それとも同意がなかったという意味なのか」という点です。現時点でお答えできることはありますか?  

 

 

 「現在警察の捜査が行われているので詳細は控えますが、週刊新潮が報じているような性加害はありません。現時点では『週刊新潮が報道している時間帯の映像が残っていて、それは記事内容と矛盾している』とだけ答えさせてください。 

 

 また『出版禁止等仮処分命令申立』の際に相手方からは女性の陳述が提出されたのですが、その内容にもブレがあると我々は考えています。もしこれが週刊誌にリークするための刑事告訴なのであれば、問題なのではないでしょうか。 

 

 今回の虚偽告訴罪の告訴は非常に迅速に受理してもらったと思っていますので、その捜査を見守りたいと考えています」 

 

 以上が伊東純也選手の代理人弁護士の説明だ。これはあくまでも伊東選手側の考えであり、週刊新潮に性被害を訴えた女性の主張は、また全く異なるものだと思う。 

 

 週刊新潮は次のようなコメントを発表している。 

 

 〈本誌は取材の結果、被害女性たちの訴えを真実と確信しております。彼女たちが受けた心身の傷は極めて甚大です。事は刑事事件に発展する可能性のある重大な案件であり、伊東選手、ならびに日本サッカー協会(JFA)はその重大性を深刻に受け止め、被害女性たちに真摯に向き合い、対応すべきであると考えます。本件について、伊東選手側が虚偽告訴だと訴えるのは、被害女性を二重に傷つけることであり、看過し難い行為と言わざるを得ません。今後も週刊新潮は本件について取材を続けて参ります。〉 

 

 この事件について最終的な判断を下せるのは司法機関だけだ。とにかくいま、我々にできるのは、双方に対して冷静に耳を傾けることしかない。 

 

 ・・・・・ 

 

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西脇 亨輔(元テレビ朝日法務部長/弁護士(西脇亨輔法律事務所)) 

 

 

 
 

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