( 135957 ) 2024/02/04 23:41:32 0 00 食パン、食べてる?
食卓の定番「食パン」だが、若年層ほど食べない傾向があるようだ。もちろん、家族と同居していれば食べる機会は多いだろうが、ここでは単身世帯、つまり一人暮らしのデータを見てみよう。総務省の家計調査(単身世帯、2022年)によると、食パンの年間支出金額は、34才以下が1730円、35~59才が3773円、60才以上が5644円、65才以上が5672円だった。34才以下と65才以上では約3.3倍の開きがある。
【写真】「こういうのは嬉しい」 喫茶店のモーニングの食パン
若者世代が食パンを手に取らない一方、高齢者の食卓にはしっかり根付いている構図が浮き彫りになっている。なぜ、若者は食パンを食べないのか。なぜ、高齢者は食パンをよく食べるのか。それぞれの世代の声から探った。
金融機関勤務の20代女性・Aさんは基本的にはパン全般が好きで、食パンも嫌いではなく、「むしろよく食べていた」という。
「実家での朝食は、時間がない時にさっと食べられるという理由で、決まって食パン。手軽に食べられるので、大学生で一人暮らしを始めたときは重宝していました」
それでも最近の朝ごはんは、パンの中でも菓子パンやおかずパンを選択する機会が増えたそうだ。
「食パンをトーストで食べようと思うと、焼き上がりを待たなければならないし、そのあとにバターやジャムなど、“何か”がいる。焼かないにしても、単体では成立しづらく、ハムや卵、野菜といった付け合わせが必要になります。
結局、食パンは“それだけで食事が成立しない”のがネック。菓子パンやおかずパンを優先しがちです」(Aさん)
メーカー勤務の20代男性・Bさんは、大学生から一人暮らし。「自分にとってはコスパがよくない」そうだ。
「食パンそのものは実家にいた頃、よく食べていました。やっぱり朝ごはんというイメージですね。ただ、一人暮らしになるとそもそも朝ごはんを食べない日も増えてきて、最近は食べていません。そもそも食パンは、おかずを考えるのが面倒なんですよね」
一人暮らしを始めてからも食パンを購入した時期はあったというBさんだが、そこに思わぬ落とし穴があったという。
「食パンってごはんよりも、食べ応えがないので、食べ始めるとついつい食べすぎてしまう。焼かなくてもふわふわしているから、食べやすいし耳を取って食べてしまうとなおさらです。その割には、大してお腹は膨れない。自分にとってはコスパが悪いなと思います」(Bさん)
IT企業勤務の30代女性・Cさんも、Aさんのように朝食として食パンを食べていたが、最近はすっかり食べなくなったという。
「朝、パンを食べる時は食パンよりもロールパンですね。焼かなくていいし、それだけでほんのり甘くておいしいと思います」
そんなCさんは、「喫茶店のモーニングやハニートーストは好き」だという。
「お店で食べるピザトーストやハニートーストの食パンは、分厚くて食べ応えがあっておいしいなと思います。でも、家でそんなに分厚いトーストは焼かないですよね。自分には食パンのトーストは、“外で食べるもの”になっています」(Cさん)
そうした若い世代の声がある一方で、高齢者の中には好んで食パンを食べている人も少なくない。パート勤務の70代女性・Dさんは、「食パンは生活に欠かせない」という。
「お米は好きですが、炊くにしても、少しやわらかくしないと食べにくい。その点、食パンはやわらかくて手軽に食べられるので、いいですよね。手でそのまま食べるのでお箸からこぼれるというようなこともありませんし」
年齢を重ねて少食になったことも大きいという。
「食パンは量の目安がつきやすくて便利だし、基本的に用意も後片付けも楽。お米だと炊くと炊飯器を洗わなくちゃいけないし、パックご飯は楽ですが、量が多いことがあります。
若い頃は5枚切りを買っていましたが、最近買うのは8枚切り。一枚まるごとでも、カットしてでも、冷凍しておけば、そのままトースターに入れるだけ。納豆なんかを乗せてもおいしいですよ」(Dさん)
もちろん、高齢者と比べて若い世代のほうが自炊をする人が少ないという理由もあるのかもしれないが、世代によって食パンの印象は大きく異なっているのかもしれない。(了)
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