( 136773 ) 2024/02/07 13:22:18 0 00 イランに輸出された貨物船(鉄道・運輸機構のホームページから)
中古貨物船の輸出先を偽って税関に申告した疑いがあるとして、警視庁公安部は6日、大阪市の船舶売買・仲介会社と関係先を関税法違反(虚偽申告)容疑で捜索した。貨物船は申告先のアラブ首長国連邦(UAE)ではなく、外国船舶に対する襲撃への関与が疑われるイランに輸出されていた。公安部は輸出の詳しい経緯や貨物船の使途の解明を進める。
【図】ひと目でわかる…イランへの輸出の流れ
捜査関係者によると、船舶売買・仲介会社は2021年5月頃、中古の貨物船1隻(総トン数499トン)をUAEの企業に輸出すると偽り、税関に虚偽の申告書類を提出した疑いが持たれている。
公安部が貨物船の位置情報を分析したところ、日本を出た後、東南アジアを経由し、イラン国内の港に到着していたことが判明。輸出に際し、同社はイラン側から許可を得ていたという。
貨物船は1997年製で、独立行政法人「鉄道・運輸機構」(横浜市)などが所有。同社が21年4月、競争入札で約3200万円で落札していた。
イランへの船舶輸出は禁止されていないが、外務省によると、核開発などを巡り米国が独自の経済制裁を科していることから、商社や貿易会社は取引に慎重になるケースが多いという。
ホルムズ海峡周辺では近年、イランの関与が疑われる武装勢力の民間船の襲撃が相次いでおり、対立するイスラエルは、イランが中古船に無人機やミサイルを搭載して軍用船に改造していると非難している。
同社はホームページによると、UAEや中国、シンガポールなどに船舶を売却する仲介などを行っている。
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