( 137043 ) 2024/02/08 00:50:19 0 00 伊東純也が主張し、女性サイドと真っ向から対立(時事通信フォト)
性加害の実態は芸能界に留まらず、スポーツ界にも飛び火するのか。現役のサッカー日本代表選手に浮かんだ疑惑には、いずれ結論が出されるだろう。だが、インターネット上ではまったく別の“火の手”が上がろうとしていた。
【写真】髪を逆立てて前を見つつドリブルする伊東純也。他、白無垢姿の結婚相手女性の写真も
「非常に重要な大会への参加中に、日本代表チームを離脱せざるを得なくなるなど、大きな損害が生じてしまった。そのため、今後、損害賠償請求の民事訴訟を検討しているようです」(スポーツ紙記者)
徹底抗戦の構えを崩さないのは、サッカー日本代表の伊東純也(30才)だ。2022年のカタールW杯に出場し、日本のエースとして今回のアジア杯にも招集されていた伊東は、大会期間中にもかかわらず1月31日を境にピッチから消えた。同日の『デイリー新潮』と、翌2月1日発売の『週刊新潮』が、伊東の「性加害疑惑」を報じたのだ。
「昨年6月に大阪で行われた日本代表の試合の後、大阪市内のホテルで、芸能活動をしている20代のAさんとBさんの2人の女性が、伊東選手と、伊東選手の専属トレーナーから性被害を受けたと告発する内容でした」(前出・スポーツ紙記者)
記事によると、女性たちは1月中旬に告訴状を警察に提出し、受理された。その前段階で、金銭による示談の話し合いが進められていたという。
「伊東サイドは100万円を提示しましたが、女性側とは折り合いがつかなかったと聞いています」(伊東の知人)
事態を重く見た日本サッカー協会は、代表チームからの伊東の離脱を発表した。ところが、伊東は女性側の告訴内容をまったくの事実無根として、2月1日、女性たちの「虚偽告訴」の告訴状を提出した。伊東の代理人弁護士が話す。
「性行為の『同意の有無』は争点にしていません。性被害はまったくのでっち上げで、そもそも性行為自体なかったということです。それを証明する客観的な証拠もあります」
その1つが、性加害があったとされる時間帯の動画の存在だという。伊東の別の知人が動画内容を明かす。
「Bさんとされる女性が、サッカーのジャージー姿でベッドで寝ているものです。着衣の乱れもなく、熟睡といった様子です。
女性たちは、ホテルに到着してすぐに伊東さんからジャージーを借りて着替えたそう。にもかかわらず、新潮の記事には《ワンピースもたくし上げられて、胸まではだけている状態だった》と書かれている。そもそも服装からして違う。ありえない状況が記事になっている、と伊東さんサイドは考えているようです」
さらに、「性被害にあった」とされる時点より後の女性の行動にも不可解な点があると主張する。
「専属トレーナーに対して、女性側から、“ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに連れて行ってほしい”という要望があったというのです。普通、性加害の“犯人”と何時間も一緒に行動するテーマパークに行きたいなどと言うでしょうか」(前出・別の知人)
だが、性被害にあった女性が、直後に自身の被害を認識できないことはままあるとされる。ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元テレビ局員を相手に起こした裁判(※)では、伊藤さんが事後に「お礼メール」を送っていたことが「性行為の同意の証明にはならない」とされた。「テーマパークに行きたい」というのも、性被害者が取ることがある、順応・迎合の行動だった可能性は否定できないだろう。
(※/ジャーナリストの伊藤詩織さんが、性被害を受けたと訴えて元テレビ局記者に損害賠償を求めた訴訟。2022年7月に、記者が同意なく性行為におよんだとして、約332万円の賠償を命じる判決が確定した)
そもそも性被害を訴え出ること事態が、勇気のいる行為だ。実際、被害女性のうち1人は、PTSDを患い、いまも性被害のフラッシュバックが起きていると主張している。一方、今回の告発で、前述のように伊東が代表チームを離脱したこともまた事実だ。伊東の不在が響いたかどうかはわからないが、優勝候補だった日本は、準々決勝で敗れた。それを背景に、女性たちに対する「二次加害」が起き始めている。
「虚偽告訴の告訴状が受理されたことで、女性たちが“加害者でもある”というような危険な認識が広まりつつあります」(法曹関係者)
いわゆる「逆告訴」によって、インターネットを中心に、女性たちの氏名や住所、SNSのアカウントなどの“素顔”を特定しようとする動きがあるのだ。実際、SNS上ではこんな発言も飛びかっている。
《伊東純也を告訴した女のインスタとTwitterだけ知りたい 特定班教えてくれ》 《どなたか伊東純也を告訴した女を特定して晒し上げてください》
社会部記者が続ける。
「Aさんは、自身のインスタグラムを一時非公開にするなど、逡巡の様子が見て取れます。Bさんも、中傷によってショックを受けている状態だといいます」
法的なシステムの問題もある。
性被害告発と裁判を巡っては、昨年末以降、ダウンタウン・松本人志(60才)の件が注目を集める。一方、伊東のケースとの大きな違いは、松本が『週刊文春』の発行元などを訴えているのに対し、伊東は「虚偽告訴」でも「損害賠償」でも、“被害女性”たちを相手にしている点だ。告訴状が受理されたため、女性たちは「被告訴人」であり、今後、民事訴訟にもなれば「被告」にもなる。
「公開されるものではありませんが、一般的に、告訴状には被告訴人の氏名や住所が記載されます。また、司法の公正な運用を保障するために、裁判は公開が原則です。一般の人でも傍聴は自由にできますし、裁判記録の請求も可能です。住所、氏名などの秘匿の申し立てをし、さらに記録の閲覧制限の申し立てをしないと、第三者に個人情報が伝わるリスクがあります」(グラディアトル法律事務所の若林翔弁護士)
双方の主張は真っ向から対立している。今後警察の捜査や裁判を通して“あの夜”の詳細は明らかにされるだろうが、性犯罪がもしあったのならば、その「二次加害」があってはならないことだけはたしかだ。
※女性セブン2024年2月22日号
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