( 137178 ) 2024/02/08 14:38:50 0 00 サントリーが更新するジンの蒸留釜
サントリーは7日、ジンなどの生産を手がける大阪工場(大阪市)に55億円を投じ、ジンの生産能力を2倍に増強すると発表した。蒸留酒のジンはウイスキーに比べて安価で、食事に合わせやすいとして人気が高まっており、2030年までに国内の売り上げを昨年の2・1倍の345億円に引き上げたい考えだ。
【グラフ】急速に拡大している国内のジン市場
1919年に稼働を始めた大阪工場は現存するサントリーの工場で最も古く、現在はスピリッツやリキュール、ウイスキーなどを生産している。順次、施設の建て替えや蒸留釜4基の更新などを進め、生産能力の増強と品質向上を図る。
ジンはトウモロコシや大麦などの穀物からつくる欧州発祥の蒸留酒。品薄が続くウイスキーよりも価格が安く食事に合う「食中酒」として、国内で需要が伸びている。
中でも力を入れるのがサントリーだ。2017年に高価格帯の「ROKU<六>」を売り出して以降、市場開拓をけん引してきた。同社によると、23年の国内ジン市場は17年比で約3倍の211億円に拡大した。
アサヒビール傘下のニッカウヰスキーなども業務用を中心に生産・販売しており、小規模に醸造される「クラフトジン」の人気も高まっている。
サントリーが生産・販売しているジン(7日)
それでも、海外に比べると国内市場はまだ開拓の余地が大きい。世界のジン市場はウイスキーの6分の1程度に上るとされるが、国内は25分の1程度にとどまる。
サントリーはさらなる市場の拡大に向け、昨年12月に主力の「翠(すい)ジンソーダ缶」を刷新。ROKUも今月20日、風味付けに桜の花や葉を使った数量限定品を売り出す。塚原大輔執行役員は7日の戦略説明会で「ジン市場はさらに伸びていくと確信している」と話した。
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