( 137473 ) 2024/02/09 13:51:26 0 00 Valerii Zaluzhnyi
(ブルームバーグ): ウクライナ軍のザルジニー総司令官が退任した。ゼレンスキー大統領との確執が過去数週間にわたってささやかれ、ロシアとの戦争の方向性を巡る不透明性が高まっていた。
ザルジニー氏が自ら辞任したのか、解任されたのか今のところ明らかでないが、大統領との関係が険悪化したことで退任が促されたと、事情に詳しい関係者は語った。ゼレンスキー氏はザルジニー氏との会談後にソーシャルメディアに、軍の「指導部刷新」を推進すると表明していた。
ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)への投稿で、ザルジニー氏は「チームの一員」に残るとしつつ、「そのような刷新をすべき時がやって来た」と説明。さらにテレグラムで、シルスキー陸軍司令官が後任の総司令官になると明らかにした。
ザルジニー氏は兵士だけでなく市民から広く尊敬を集めていた。ロシア軍の戦力の前にますます劣勢に立たされ、西側の支援が不足する緊迫した状況で軍のトップが交代することになる。
ウクライナ向けの600億ドル(約9兆円)余りの支援が議会で滞る米国では、バイデン政権がゼレンスキー氏に対し、ロシアの侵攻を食い止めるため軍事計画の練り直しを迫っていた。同氏とザルジニー氏の不和に対する懸念も米当局者の間にあった。
軍上層部に詳しい関係者によると、ゼレンスキー氏とザルジニー氏の確執は戦争が始まって数カ月の頃にさかのぼる。それが深まった少なくとも一部は、ゼレンスキー氏がより大胆な軍事作戦を望んだのに対し、ザルジニー氏はより慎重な姿勢をとり衝突したためだという。
ゼレンスキー氏の軍幹部刷新計画は順調には進んでこなかった。両者の先週の会合では、ザルジニー氏が退任を拒否したと、事情に詳しい複数の関係者が述べていた。これにザルジニー支持者が公に反応を示したことも、事態を難しくした。
ザルジニー氏(50)はソ連でなく、独立後のウクライナの軍事アカデミーを卒業した初めての軍総司令官だった。従来型のソ連の軍事戦術を放棄し、ウクライナ軍の近代化を図ったことで評価されている。
原題:Ukraine’s Army Chief Leaves After Rift With Zelenskiy (1)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Volodymyr Verbianyi, Daryna Krasnolutska
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