( 139098 )  2024/02/14 14:39:42  
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700円台や800円台のセットメニューはお気軽価格じゃなくなった…(C)日刊ゲンダイ 

 

 先月下旬から単品を中心に一部メニューの店頭価格を10~30円値上げしたのが、大手ハンバーガーチェーンのマクドナルド。価格据え置きのハンバーガーやチーズバーガー、マックフライポテトなどを除き、全体のおよそ3割の商品が高くなった。値上げ発表の際、〈もはや富裕層向け〉〈値段が変わらないならモスに行く〉などの声が聞かれた。 

 

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 実際、今回の値上げで、同業のモスバーガーと価格はほぼ並んだ。類似商品を挙げると、マックのダブルチーズバーガー430円~に対して、モスのダブルチーズバーガーが440円。マックのフィレオフィッシュ400円~に対して、モスのフィッシュバーガーが390円といった具合だ(マックはエリアごとに価格が異なる)。 

 

 昨今の原材料費、人件費、物流費などの高騰に加え、円安を値上げの要因に挙げているが、一斉値上げは2022年以降、4回目だけに、気になるのが客足への影響だ。 

 

■度重なる値上げで過去最高益 

 

「昨年は既存店客単価が前年比8.5%増に対して、客数は1.5%減。値上げによる客数減少の影響は軽微で、23年12月期は過去最高益を達成しています。しかし、節約志向が高まる中、マックからは値ごろ感が失われつつあります」(経済ジャーナリスト) 

 

 23年の毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年比2.5%減と2年連続で減少。賃金が物価上昇に追い付かず、財布の紐は固くなる一方だ。 

 

「コンビニもここ5年くらい値上げが続いていて、コロナの影響もあって基本的に客足は減っています。給料が上がらない中でそろそろ家計が限界に近づいていますが、値上げが受け入れられるかは春闘の動向次第でしょう。日本も世界のインフレに合わせて、給料を上げるために値上げせざるを得ない状況です」(消費経済アナリスト・渡辺広明氏) 

 

 マックに限らず、“デフレの象徴”といわれた吉野家、ユニクロなども近年の値上げで高級化している。 

 

「700円台、800円台のセットメニューは気軽に利用できる価格ではないので、ハンバーガーやポテトを単品購入して、飲み物は他で用意したりと、消費者の使い方が変わってきているように思います」(渡辺広明氏) 

 

 気軽に「マックしよう」なんて言えない状況になってきている。 

 

 

 
 

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