( 139218 )  2024/02/14 23:07:38  
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 旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)との接点が指摘されている盛山正仁文科相(70)。事務所の実質的責任者とされる妻の路子(みちこ)氏が「 週刊文春 」の電話取材に応じ、「選挙支援は嘘っぱちですよ!」「でっちあげ書かれて」「統一教会からの報復、脅し」などと語った。朝日新聞の報道に加え、国会でも教団関係者と収まった写真などの物証が提示されているだけに、路子氏の発言は波紋を呼びそうだ。 

 

【画像】「選挙支援は嘘っぱちですよ!」仰天釈明をした 盛山正仁文科相の“妻” 

 

盛山文科相 ©時事通信社 

 

 盛山氏は東京大学法学部卒業後、1977年に旧運輸省に入省。2005年の衆院選で兵庫1区から初当選を果たした。元々は岸田派の所属で、現在当選5回。昨年9月の内閣改造で文科相として初入閣を果たした。その直後の10月には、旧統一教会に対する解散命令請求に踏み切っている。 

 

「学者のような堅物な性格の盛山氏に代わって、事務所を実質的に取り仕切るのが、“猛妻”として知られる路子氏です。彼女は衆院議長などを歴任した田村元(はじめ)氏の長女。議員会館に頻繁に顔を出したり、日程調整を細かく行うなど、日々の政治活動に深く関わっている。盛山氏も『妻は政治の世界では先輩だから』と頭が上がりません。岸田派の『夫人の会』も、事務局長の路子氏を中心に運営されています」(事務所関係者) 

 

 そんな中、朝日新聞2月6日付朝刊が写真つきで報じたのは、盛山氏が2021年の衆院選で、旧統一教会の友好団体から推薦状を受け取り、事実上の政策協定を結ぶなど選挙支援を受けたとする問題だ。これに対し、盛山氏は2月8日の国会で「記憶にございません」と繰り返すなど、曖昧な答弁に終始している。 

 

 実際はどうだったのか。2月11日、妻の路子氏に電話で話を聞いた。以下はその一問一答である。 

 

――統一教会側との面会の記録はなかったと? 

 

「うちは東京事務所も神戸も必ず毎日日誌を書かせている。選挙中は車の配車もあるので、2週間(註:正確には12日間)の細かいスケジュールも書いている。記録に残っている。ところが選挙前の、1週間、10日間くらいは、秘書たちが忙しすぎて、日誌を書かせなかった。ちょうどその時のものだったみたいで(註:写真は公示日2日前の10月17日のもの)。おまけに統一教会という名前じゃないから、関連団体の存在が分からなかった。わざと隠したわけじゃないんです。本当にうち、付き合いがなかったものだから、名前すら知らなかった」 

 

――教団関係者とハグをするほど仲が良いとの報道も。 

 

「あの主人ですよ(笑)。ハグするような仲良い人は中学からの同級生とか。すごく仲良い友達にも『拝啓』から始める人ですからね」 

 

 

――(朝日新聞が報じた)教団関係者と3人で一緒に写っている写真は覚えていない? 

 

「私は同席してないし、(現物の)写真も見ていないから、よく分からない。選挙中、選挙前も一緒に歩いていないしね」 

 

――奥さんも報道があるまで知らなかった? 

 

「全く知らないです。次から次から、人が集まる所に行っていた時期だから。情報を漏れ聞いたら、挨拶に行かないといけない時期。本当に本人の頭に記憶になかったんだと思います」 

 

――「薄々思い出してきた」などの答弁が批判されている。 

 

「そうそう(笑)。全く覚えていないと言っていて、『薄々思い出して』は、本音なんだろうけど、答弁で言ったら袋叩きに遭いますよね。それが本音だったんだろうと思います」 

 

――奥さんも答弁についてアドバイスは? 

 

「私、気分悪いから、答弁見ていない(笑)。でも帰宅した時、女房までその話したら、立つ瀬がないだろうから。全く見ない、知らない、で、他愛ない話して、美味しいものを作って待っているほうが、お互いの平和だと思って。報道は見ないんですよ。だから記事も読んでない。朝日は最初だったから、読んで、怒鳴り込みのクレームの電話をした(笑)。生涯、朝日の取材はお断りと言ってね(笑)」 

 

――朝日にクレームしたのはどの点が? 

 

「選挙支援は嘘っぱちですよ! 本当にお願いしてないから。お願いするほど親しくない」 

 

――事実ではないと。 

 

「良かれと思って、県会議員や市会議員の方がお願いしていたなら、それは分からない。少なくとも選挙事務所には(教団関係者は)1日も来なかった」 

 

――政策協定に署名したのはなぜ? 

 

「普通、政策協定って、こんな時に出さないですよ。送られてきて、読んで、サインする。政策協定、ほとんど私読んでいます。守れるものと、この部分無理かな、というものがある。これは無理だろうというもの以外は、主人に見せて、サインしてもらいます。でも、集まりの中で『ほら、ここにサインしろ』と、すぐに推薦状が出てなんて、聞いたことない。だから主人も主人で、『熟読します』と持ち帰れば良かったんですよ。選挙直前だからそれができなかったのかな。『迂闊だった』と主人は言ってますけどね。よもやその場でサインするなんて。推薦状も大きなものは、選挙事務所に飾りますが、宗教関係は他の方もいらっしゃるから、仕舞っちゃうんですよ。私見なかったんです」 

 

 

――岸田首相としては辞めさせる気はないと。ご主人は続けると? 

 

「選挙違反したわけでも裏金作ったわけでもない。知らないで行って、選挙支援頼んだわけでもない。でっちあげ書かれて。それで辞めますはないですよ」 

 

――大臣も「辞めようかな」と漏らすことは? 

 

「全くないです。私みたいにカッカしてないから(笑)。事務所に嫌がらせの電話がかかってきて、ケンカしちゃったりね」 

 

――岸田首相からは「頑張れ」と? 

 

「総理と主人の間の話はよくわからない。主人は『自分が弱音を吐いたら、総理に迷惑をかける』と言っています。総理が守るというよりも、『僕が兵隊で守り通さなかったら、総理に迷惑かける』と」 

 

――連休明けに辞任ということはなさそう? 

 

「それはないです。私がその立場だったら、ヤケを起こして、辞めてやるといいそうだけど(笑)。統一教会からの報復、脅しということもあるでしょうね。このネタを持ってたわけですから」 

 

――奥さんからはご主人に何と伝えている? 

 

「あんまり言ってないですが、ひとこと言ったのは『脇が甘い!』と。人をある程度疑うようにならないと。だいぶ懲りたみたいだから。変わるんじゃないかな」 

 

――岸田派がなくなりますが、皆さんの雰囲気は? 

 

「いきなり解散と言われて、寝耳に水。目が点。噂すら聞かない」 

 

――派閥の「夫人の会」はどうなる? 

 

「『夫人の会』の解散に関しては、岸田夫人に頼まれて、岸田夫人が書いた手紙を、私が出すことになっていて。やっと皆さんの住所がわかって。急な解散で、すごく仲良く、有意義な会で良かったのに、とりあえず解散することになった、またチャンスがあれば、集まれることになったら、元気に集まりましょうという内容で。寂しいですよ。目立つしね。全部解散して、ゼロにして。また仲良しグループで、何年か先に」 

 

――派閥の夫人の会の事務局長? 

 

「そう。岸田さんも私より10歳下(路子氏は69歳、岸田裕子夫人は59歳)。同じ世代の人もいますが、出席される中では私は年長者。それもあって私が細かいことやってたんです。それで総理とも、会えば『やぁ元気?』と言われる親しいお付き合いをさせてもらっています」 

 

 朝日新聞の報道などを「でっちあげ」とまで踏み込んだ路子氏だが、盛山氏は宗教法人を所管する文科省のトップ。大臣本人による透明性のある答弁が求められる。 

 

 2月14日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および2月15日(木)発売の「週刊文春」では、路子氏との一問一答のほか、“ドリル優子”こと小渕優子選対委員長による裏金調査の聴取の様子、武田良太元総務相が作成した“麻生(太郎副総裁)に嫌われ番付”、麻生氏の後継者問題に生じた“異変”などについて詳報している。 

 

「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年2月22日号 

 

 

 
 

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