( 139653 ) 2024/02/16 00:13:40 0 00 また逆戻りの150円台、その原因は…(C)日刊ゲンダイ
ドル円の為替相場が再び150円台に逆戻りだ。13日のニューヨーク市場で1ドル=150円台後半まで急落。昨年11月中旬以来、約3カ月ぶりの円安水準となった。
【写真】地銀を襲う「新NISA・債券安・融資先倒産」の三重苦…73社・グループの純利益6.9%減の衝撃
財務省の神田財務官は14日、「最近の動きはかなり急速だ。経済にとって悪影響がある」と警戒感を示し、「必要があれば適切な対応をしていく」と口先介入で牽制してみせた。
しかし、である。超円安を誘発してきた日米の金利差については、日銀が早ければ3月にも長年の異次元金融緩和政策を修正し、マイナス金利を解除する見通し。金利差縮小で今年は円高基調に転じると言われていたはずじゃなかったのか。
■「2.13」円暴落はブラックジョーク
「新NISAマネーが想定以上に米国など海外株式に向かい、円安を引き起こす一因となっています。2月13日は『NISAの日』でした。まさにその日に円が暴落とは、ブラックジョークですね」(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)
実は今年に入っての新たな円安材料が「新NISA」なのだ。株式投資や投資信託での売却益と配当を非課税とする「NISA」は、今年1月から期間が無期限になり、限度額も拡大。岸田政権が「貯蓄から投資へ」と大キャンペーンを行っていることもあり、NISA口座は急増。これがバブル後最高値更新中の株価押し上げ効果を生んでいる側面もあるのだが、一方で、日本総研の試算によれば、NISA口座の増加とともに投資資金が海外資産にシフトし、今後4年で最大で対ドル6円の円安圧力になるという。
実際、投資信託協会が14日に発表した1月末の投信概況によると、新NISA効果で、上場投資信託(ETF)を除く公募株式投信の純資産総額(残高)は前月末比5兆円超増加し、過去最高を更新。1兆3107億円の純資金流入のうち、6割強が海外株式型への流入だった。
「外国株をやりたかった個人投資家に、新NISAがきっかけを与えた形です。国内ではなく海外にリスクマネーが向かえば円安は加速します。政府にとっては誤算。ある程度は想定していたでしょうが、ここまでとは、と愕然としているのではないでしょうか」(森岡英樹氏)
2027年までにNISAの累計買い付け額を56兆円まで伸ばすと政府は息巻いているが、円安が止まらなければ、物価高も止まらない。しわ寄せをかぶるのは庶民だ。
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