( 140013 )  2024/02/17 00:27:12  
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経済同友会の新浪剛史代表幹事 

 

経済同友会の新浪剛史代表幹事は16日の記者会見で、日経平均株価が平成元年の史上最高値に迫る株高が進んでいることに対し、「ぬか喜びをしないほうがいい」と警鐘を鳴らした。市場の動きは期待先行であり、長引く物価高で個人消費が停滞する国内経済とかけ離れているとして、期待が裏切られ株価が下落した際の影響に懸念を示した。 

 

【写真】16日午後、日経平均株価終値3万8487円24銭を示すモニター 

 

■複合的な要因 

 

「バブルに踊った反省はあるが(平成元年)当時は街中と株価は結構マッチングしていた。いま街中の気持ちが全然上向かない中で株高が進むのは、一般の人たちからすると何だろうというのが実感ではないか」 

 

新浪氏はこう指摘。足元の日本株高は不振が続く中国市場からの資金流出の受け皿になったことや、政府の成長戦略を追い風に国内の賃上げや産業の新陳代謝が進むことへの期待感など、複合的な要因があると分析した。個人消費や設備投資が停滞している日本経済の現状を反映したものではないとの見方も示した。 

 

■新陳代謝を阻害 

 

その上で、中小企業への補助金を積み増して新陳代謝を阻害するなど、「政治が停滞してやらなきゃいけないことが起こらないと困る」と指摘。市場の期待を裏切れば株価は一気に下落しかねず、「逆に下がったときのほうが影響が大きいのでは」と懸念を示した。(田辺裕晶) 

 

 

 
 

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