( 142938 )  2024/02/25 15:21:56  
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引退することになった大相撲の幕内、北青鵬(23日、東京都の宮城野部屋前) 

 

 後輩力士に暴力行為をくり返し、引退することになった大相撲の幕内力士、北青鵬(ほくせいほう)…5歳から暮らし、今も実家がある地元・札幌市の恩師らは、驚き、嘆き、惜しむと共に、相撲界全体に苦言、体質改善を求めています。 

 

【写真を見る】引退した大相撲の北青鵬、殴る、突き飛ばすだけでなく、指に瞬間接着剤なども…本人は続ける意向も他の力士ら「くり返す」と拒絶で断念、地元・札幌市の恩師「根は優しい子、親方がいるんだし、相撲界全体でもっとオープンに」 

 

 日本相撲協会が23日、明らかにした北青鵬の暴力行為…2人の後輩力士に対し、殴る、突き飛ばすなどをくり返していただけでなく、指に瞬間接着剤を塗る、殺虫剤スプレーに火を点けて近づけるなど、陰湿で、おぞましいものでした。 

 

 本人は深く反省し、二度とくり返さない旨を誓約、いかなる処分も受け入れるとしながら、当初、相撲を続けることを希望していたといいます。 

 

 しかし、被害を受けた2人の後輩力士をはじめ、他の力士らの多くも北青鵬に反省の態度が認められず、宮城野部屋に残ることになれば、必ず暴行をくり返すと供述、部屋への復帰を拒絶しるということで、引退勧告、自ら提出した引退届の受理に至りました。 

 

 合わせて元横綱・白鵬の宮城野親方も監督責任を問われ、2階級降格、20%3か月の報酬減額の懲戒処分となっています。 

 

 北青鵬はモンゴルで生まれ、5歳から札幌市東区で育った22歳…2メートル超の長身を活かし、時に強引とも見られる取り口ながら、2020年3月の春場所で初土俵、21年9月の秋場所で新十両、23年3月の春場所で幕内力士となるなど、順調に番付を上げてきました。 

 

 すでに幕内在位も6場所の期待の若手でしたが、まさかの引退…相撲少年団の恩師などからは、驚き、嘆き、惜しむ声と同時に、相撲部屋、協会の体質改善などを求める声が上がりました。 

 

■化粧まわしを贈るなどしていた後援企業の鶴嶋浩二・代表取締役 

 

(引退勧告発覚時の取材) 

・北海道後援会の会長でもあり、中学生の頃からサポート 

・非常に残念、優しく、暴力をふるう子ではないと思っていた 

・去年12月、関係者から暴力の噂は少し 

 

・昨日(21日)の夜、親方と話し、本人は反省していた 

・「処分は仕方ない」と話していた 

・この件を受けて母親は東京へ、ショックで泣いていた 

・今日(22日)にも引退届を出すと思う 

・落ち着いたら話すが、一日も早く立ち直って頑張って欲しい 

 

■札幌相撲少年団の恩師、大内基樹さん 

 

・小学校1年生で白鵬と出会い「相撲をやれ」と 

・呼び名は本名のアリューナー・ダワーニンジから「ニンジ」 

・当初はモヤシっ子で弱く、いつも泣きべそ 

・4年生から力強くなり、毎年、優勝 

・中学、高校と鳥取に相撲留学、悪い上下関係の日常に染まったのでは 

 

・そのまま大相撲でも番付を上げ、すぐ関取(十両以上)になってしまった 

・部活の延長のまま、皆にチヤホヤされて勘違いしたかな 

・でも、根は優しい子なんですよ 

・わんぱく相撲の大会に出る子どもたちに熱心に指導 

 

・暴力は絶対いけないし、本人が悪い 

・でも、親方がいるんだし、もう少し心のケアをできたんじゃないかと 

・しっかり成長を見守って欲しかった 

・先日、中学3年生の他の部屋の体験入門も付き合ったけど、宮城野部屋とは雰囲気が違った 

・稽古場は厳しかったけど、その後は普通に家族的 

 

 将来を嘱望されていた22歳の大器の、あまりにも早すぎる大銀杏の断髪… 

 

 大内さんは最後に「部屋の経営も、相撲協会も全てオープンにして、ふだんから、どういう教育を、どういう生活を送ってるのか、全てわかるような形にしてくれると、いじめとか、暴力とかなくなるのではないでしょうか。こんな悲しいことは、二度と起こして欲しくない」と処分だけでなく、相撲界全体の体質改善を強く訴えました。 

 

北海道放送(株) 

 

 

 
 

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