( 143243 )  2024/02/26 14:36:14  
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森永卓郎氏 

 

 「増税メガネ」岸田首相が少子化対策の財源として実質的な増税を検討している。だが、泉房穂前市長の改革で財源を捻出した明石市の事例もある。「財政が厳しい」という財務省の言い分は正しいのか。経済アナリストの森永卓郎氏と、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏の対談書『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(講談社+α新書)から一部を抜粋・再編集してお届けする。 

 

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 連載第4回後編 

 

前編記事『「米を食うとバカになる」と洗脳…現代の日本人が米食から離れつつある「ヤバすぎる原因」』より続く 

 

写真:現代ビジネス 

 

 鈴木 しかも理不尽なことに、残業代が出るかどうかは財務省の一存で決まるんです。農水省の残業代って実績の10分の1しか出なかった。一方で財務省の残業代は100%出ていた。 

 

 財務省の人たちだって、もともとは志もあったのでしょうが、入省して5年も経てば、こういう仕事ぶりが板についてしまうのでしょうか。一方で他の省庁は、そんな財務省からどうにかして予算を集めるかにばかり頭を使っている。 

 

 農業予算って非常に評判が悪いんですよ。予算がついても、いろんな条件が付いていたり、必要な書類がたくさんあったりして、実際には予算を執行できず、積み残した予算が国庫に戻される。 

 

 でもそれは農水省の責任というより、財務省の問題なんです。財務省がいろんな条件を付けて、遣いきれずに国庫に戻るようわざと仕向けていると聞いています。 

 

 森永 農水省は独立した予算を持っているからまだましですよ。私は日本専売公社と、経済企画庁にいたんですよ。財務省からは「植民地」と呼ばれていました。 

 

 私は専売公社に入社後、主計課というところに配属されて、財務省(大蔵省)の主計局大蔵二係という部署に詰めていました。文字通り、部屋の前の廊下にずっと座って待っているんです。中から「おい、森永!」と呼びつけられて、2秒以内に駆けつけないと担当者の逆鱗に触れるからです。 

 

 鈴木 奴隷のような扱いですね。 

 

 森永 本当に奴隷なんですよ。 

 

 鈴木 凄まじい話ですね、それ。 

 

 森永 私はそうやって財務省の仕事ぶりを間近に見てきたんです。元官僚の政治家や言論人はたくさんいますが、財務省の奴隷だった人間は私くらいです。 

 

 

 鈴木 『ザイム真理教』(三五館シンシャ)という本はその体験をもとに書かれたわけですね。非常に説得力がありますよ。 

 

 森永 ひどすぎて本に書けなかった話もたくさんあります。接待がらみ、女性がらみでは本当にひどい光景を目の当たりにしました。 

 

 鈴木 生々しいですね。 

 

 森永 高橋洋一さんの話では、当時の大蔵省では「毒まんじゅう」と呼んでいたそうです。 

 

 「毒まんじゅう」は、皮が「女」、餡は「金」だと。 

 

 「高橋さんは毒まんじゅうを食わなかったんですか」と聞いたら、「俺は学生結婚しちゃったからね。森永君が大蔵省に勤めていたら食っていただろうね」って言うから、「うん、そうかもしれませんね」と(笑)。 

 

 鈴木 いやあ、すごい話ですね。農水省ではそこまでの接待はなかったですね。まあ私も行政職は若いころしかやっていないので、正確なところはわかりませんが。 

 

 森永 こういうシステムができ上がっているんですよ。富裕層、アメリカの大手企業、財務省中心の官僚機構、それに乗っかる政治家と。ただ、だからこそ、壊れるときは一気に大転換が起こる。 

 

 鈴木 そうですね。 

 

 森永 もうすぐ大転換が来るぞと言ってもなかなか信じてもらえない。江戸時代末期に、これから幕藩体制が崩れるぞと言っても信じてもらえなかったでしょう。いまはそれと同じような状況なんだと私は思います。 

 

 大転換がいつ起きるか正確にはわからない。でも、そう遠くない時期に起きると思う。 

 

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 『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係 』(鈴木宣弘・森永卓郎著) 

 

 講談社+α新書より2月21日発売!  

 

鈴木 宣弘(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)/森永 卓郎(経済アナリスト) 

 

 

 
 

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