( 143483 ) 2024/02/27 12:30:37 0 00 photo by gettyimages
経済アナリストの森永卓郎氏の書籍『ザイム真理教』(三五館シンシャ)がヒットを続けている。ただ表立って財務省を批判することにはリスクもともなうと森永氏は語る。東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏との対談書『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(講談社+α新書)から一部を抜粋・再編集してお届けする。
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連載第5回前編
写真:現代ビジネス
鈴木宣弘(以下、鈴木) 心ある、まともな経済学者はどのくらいいるのでしょうか。
森永卓郎(以下、森永) それでもいっぱいいますよ。
鈴木 なるほど。ただ、いっぱいと言っても、メディアに出るのはごく一部の人ですよね。
森永 ええ。正しいことを言っていると、みんな干されるんですよ。 私は2023年5月に、『ザイム真理教』(三五館シンシャ)という本を出したのですが、その過程で強くそう思いました。
この本について、ネットメディアとか、タブロイド紙、週刊誌がたくさん取材に来たんですよ。アマゾンでは3週間ほど経済書の売上ランキングのトップを走っていたので。
ところが、大手新聞社と地上波テレビ局からは無視されました。対応がきれいに分かれている。
森永 いま、いろんな番組のコメンテーターの間では、「絶対に本当のことを言ってはいけない。干されるぞ」と言われているんですよ。
鈴木 でも、先生はまだ干されていませんよね。
森永 いや、私もけっこう干されましたよ、とくに東京の報道番組や情報番組の仕事はなくなりました。
番組名を言うとひと悶着起きるので言えないんですが、あるプロデューサーがやってきて、「森永さん、申し訳ないですけど、ちょっと番組全体をリニューアルすることになったので、降りてもらえませんか」と言う。
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森永 「わかりました。しょうがないですね」と返事をして、翌月にその番組を見たら、リニューアルされたのは私だけだった(笑)。
鈴木 そうだったんですね(笑)。
森永 テレビに出続けようと思ったら、こう言わなきゃいけない。
「いま、日本の財政は逼迫(ひっぱく)していて、孫や子の代に借金を付け回ししないためには、消費税の継続的な引き上げは避けられないんです。国民の皆様、一緒に増税に耐えましょう」と。こう言っておけば、テレビに出続けられる。
でもこういう方針ってそもそも放送法に違反しているんですよね。多様な意見を紹介するのがメディアの役割なんだから。
鈴木 本来はそうですよね。
森永 いま、地上波テレビは鈴木先生のほうが出ておられるんじゃないかな。
鈴木 それはないですよ(笑)。
後編【 「財務省はカルト教団です」…森永卓郎が「死ぬ前に本当のことを全部書いておこう」と決意した理由】に続く
鈴木 宣弘(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)/森永 卓郎(経済アナリスト)
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