( 143503 )  2024/02/27 12:53:32  
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請求書を職員に手渡す見張り番メンバー(大阪市役所で) 

 

 昨年1月に大阪湾に迷い込んだクジラの死骸処理費が大阪市の試算の2倍以上に膨らんだ問題で、市民グループ「見張り番」(大阪市)が26日、市に住民監査請求を行った。市が積算根拠がないまま委託業者の増額要求に応じたのは不当だとして、業者に対する返還請求や、契約に関わった市職員らへの損害賠償などを行うよう求めている。 

 

【図表】2倍以上に膨らんだ「淀ちゃん」の処理費用 

 

 「淀ちゃん」と呼ばれたクジラは昨年1月13日、淀川河口付近で死んでいるのが確認され、市大阪港湾局が市内の海運会社に死骸の海洋投棄を依頼した。 

 

 費用の交渉は処理後に行われ、同局は昨年3月初め、3774万円と試算したが、同社の提示額と2倍以上の開きがあり、同月30日、試算額を引き上げ、翌31日に8019万円で同社と随意契約を結んだ。この際、同局の経営改革課長は市の試算額を積算根拠なく引き上げるよう局長らにメールで進言したとされる。 

 

 見張り番は、この一連の経緯を問題視。「8019万円は支払う義務のない金額で、正当な費用との差額について市に損害が生じている」と指摘している。 

 

 一柿喜美共同代表は26日、市役所を訪ね、行政委員会事務局監査課の職員に住民監査請求書を提出。読売新聞の取材に対し、「不適正な契約の可能性が強い。監査の視点でチェックしてほしい」と話した。 

 

 契約を巡って市大阪港湾局は「経営改革課長の進言を受け入れていない。契約は適正だった」としている。 

 

 

 
 

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