( 143518 )  2024/02/27 13:10:36  
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photo by gettyimages 

 

 日本は政権選択のカードすら持たない不幸な国と言えないだろうか。少なくとも私はそう考えている。 

 

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 なにしろ、現政権の不支持率が8割を超えてもなお、次期総選挙で「野党が政権を握る」という予想すら、出てこないのだから……。 

 

 毎日新聞が2月16、17日に行った世論調査によれば、岸田内閣の支持率は14%、不支持率は82%となった。自民党支持率も16%と急落し、野党第1党・立憲民主党の支持率は16%となったことで、これまで大きく開いていた両党の支持率差はなくなった。 

 

 自民支持率が1割台に落ち込むのは、2012年12月の自公政権復帰後で初めてとのことである。 

 

 内閣支持率は、無党派層の動向次第で大きく変動する一方、自民は保守層など伝統的な支持基盤を固めており、党内には「自民の支持率が安定している限りは選挙で大負けすることはない」との楽観論が根強くあったとのことである(「自民支持率16%、自公政権下最低に 裏金問題など直撃 世論調査」)毎日新聞2024/2/18)。 

 

 ただし、毎日の世論調査では、自民の支持率が低くなる傾向があるという説もある。 

 

 そこでNHKの世論調査も見ておくと、岸田内閣の支持率は25%、不支持は58%である(NHK世論調査2024年2月)。各党の支持率は、自民党が30.5%、立憲民主党が6.7%、日本維新の会が3.1%と、野党側の支持率はいずれも10%に満たない。 

 

 NHKの世論調査が正しいとすると、根強い自民支持層に守られて、自民党は大負けしないという議論が正しいだろう。ただし、自民党が2009年9月に世間転落する前の8月の支持率が23%、9月が15%だから、支持率25%はかなり低いものである。 

 

野党第一党の立憲民主党の泉健太代表 Photo/gettyimages 

 

 不人気な政権や与党であれば、多くの国では、選挙で野党の勝利が予想されるだろう。 

 

 イギリスを見ると2025年の1月までには解散総選挙をしなければならず、そうなれば保守党スナク首相の支持率の低さから、野党労働党が勝利、政権交代が予想されている(「英スナク首相「総選挙は今年後半を想定」 支持率回復へ時間稼ぎか」日本経済新聞2024年1月4日)。 

 

 日本でなぜそうならないかと言えば、野党に外交政策の一致がないからだ。 

 

 日米安全保障をどうするかが一致しなければ政権は担当できない。そこで思い出されるのが、2017年9月29日、新党「希望の党」の代表を務める小池百合子東京都知事が表明した「排除の論理」だ。 

 

 あのとき、この論理を国民が受け入れていれば、いま我々は政権選択の選択肢を手にしていたかもしれない。 

 

 その理由については、後編記事『岸田内閣「不支持率8割」でよみがえる、小池百合子「大敗北」の記憶』で詳しくお伝えしていこう。 

 

原田 泰(名古屋商科大学ビジネススクール教授 元日本銀行政策委員会審議委員) 

 

 

 
 

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