( 143588 )  2024/02/27 14:24:09  
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(漫画:©︎三田紀房/コルク) 

 

記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。 

その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。 

 

【漫画で読む】『ドラゴン桜』なぜ親が子供の受験に意識を向けすぎるとよくないのか? 

 

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第104回は、受験直前の我が子との向き合い方についてお話しします。 

 

■親は自分の受験よりも緊張する 

 

 2月25日・26日に国公立大学の大学入試が実施されました。今年も多くの学生が試験会場に行き、全力で問題を解きました。 

 

 さて、そんな受験生たちのことを、ハラハラドキドキしながら送り出しているのが、親御さんですね。 

 

 子供の受験に対して、「自分の受験よりも緊張する」なんておっしゃる親御さんもいます。 

 

 「受験生に対して親はどのように接すればいいのか」ということは、永遠のテーマだと言えるでしょう。 

 

 一方で、残酷な話なのですが、実は「子供の受験に対してどう接すればいいんだろうか?」と思い悩むほど、子供たちの受験はうまくいかなくなってしまうことが多いです。 

 

■親が意識するほど、子供は合格から遠ざかる 

 

 親御さんが受験に対して強い意識を持てば持つほど、子供の合格は遠ざかってしまう場合があるのです。
どうしてそんなことが言えるのか?  また、東大に合格する家庭の親は、どんなふうに接しているのか?  今回はこのテーマについてみなさんにシェアしたいと思います。 

 

 まずは、「なぜ親が子供の受験に意識を向けすぎるとよくないのか」について、『ドラゴン桜』のこちらのシーンをご覧ください。
 

 

 

 ※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください 

 

 いかがでしょうか? 
「父は大仏のように、母は観音様のように」という言葉については、東大生たちに聞くと「まさに自分の親はそうだった」と答える人が多いです。 

 

 「合格でも不合格でもどっちでもいい」「とにかく頑張ったことを評価する」という親御さんのほうが、合格しやすいのです。 

 

 しかしながら、最近の親御さんは、子供に対してとにかく心配しすぎな場合が多いです。「落ちたときに、どう接したらいいかわからない」「もし試験に行く前に、こういうトラブルがあったらどうすればいいんだろう」「試験会場までの道のりは、どんなふうにすればいいんだろう」といったことを、親のほうが子供よりも悩んでしまう、という家庭も少なくないのです。 

 

 そしてそういう家庭の親御さんに話を聞くと、決まって「自分の子供が、受験に対して意識を向けなさすぎなので、代わりに自分がやってあげている」というようなことをおっしゃいます。 

 

 しかし、親御さんが子供の受験に対して意識を向ければ向けるほど、子供にとって受験は「親のもの」であるかのような感覚になってしまいます。 

 

 親が喜ぶから勉強して、親が言うから受験して、親の望む進路に進もうとする。そして、「親の期待を裏切ってしまったらどうしよう」というプレッシャーから、本来の力を発揮できない受験生というのも多いのです。 

 

■親と試験会場に来るケースが増えている 

 

 平たく言ってしまえば、「過保護」な親御さんが増えているのだと思います。そしてそれは、試験会場でも感じます。この受験の時期、僕も多くの大学の試験会場に赴き、教えている生徒たちに対してエールを送ったり使い捨てカイロを渡したりしていたのですが、例年に比べて、親御さんと一緒に試験会場に来る受験生が増えていることに驚かされました。 

 

 試験当日の朝、親御さんや親戚の人と思われる大人と一緒に試験会場に来ている受験生の数が、例年に比べて増えているように感じました。 

 

 

大学によっては「親御さんの控え室」が用意されているところもあるのですが、今年はいつにも増して、そこに来ている親御さんの数が多い印象がありました。以前、「受験生は注意、入試会場に親が付き添うと落ちる訳」という記事でも書きましたが、結局、親が子供の受験を手伝いすぎている状態だと、いい結果にならない場合が多いのです。 

 

 結論として、僕がおすすめなのは、とにかく親は、「見守ること」です。 

 

 いろいろ心配になったり、感情が動くこともあると思います。でも、それでも何も言わずに、見守ること。「子供も頑張っているのだから、自分も見守ろう」と考えて、泰然自若としていること。それができれば、きっとお子さんの受験は、いい結果になるのではないでしょうか。
 

 

受験勉強や、子供への教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。 

 

西岡 壱誠 :現役東大生・ドラゴン桜2編集担当 

 

 

 
 

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