( 143718 )  2024/02/27 23:32:46  
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なぜ「ドア横」をキープしたい?(イメージ) 

 

 電車内で“嫌われる存在”として、しばしば槍玉に挙げられるのが「ドア横キープマン」。ドアの横の位置を占拠し、乗降客がいても動こうとしない人のことだ。 

 

【表】最新版「駅と電車内の迷惑行為」ランキング。乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)は3位 

 

 とはいえ、ドアの横の位置はスペースも広く、寄りかかれるということで、人気のポジションであるのも事実。他の乗客に迷惑にならないように気を遣いつつ、ドア横を狙う人も少なくないだろう。そんな“ドア横愛好家”たちに話を聞いた。 

 

 都内に住む会社員のAさん(30代男性)は、毎朝30分ほどの時間をかけて電車通勤している。ピークタイムは避け、午前10時30分~11時の電車に乗ることが多いという。 

 

「私の通勤時間だと、まず座れません。ただドア横は寄りかかってスマホを見ていられるのが便利なので、そこに誰もいない時は、たいてい確保します」(Aさん) 

 

 そんなAさんだが、乗降客がいる際はドア横を離れて、一旦電車から降りるようにしているという。 

 

「立っている人があまりおらず、乗り降りする人も数人程度であれば、ドア横から動かなくても邪魔にならないので、そのままキープすることもあります。でも、明らかに邪魔になるなと思ったら、一旦降りることにしています。ドア横は好きですが、迷惑をかけていいわけではないですから。 

 

 もっとも通勤電車の場合は、どの駅で左右どちらのドアが開くかを把握しているので、できるだけ開く回数が少ない方のドアの横をキープするようにしています。開かないドアの横なら、迷惑はかけないので」(Aさん) 

 

 神奈川県に住む会社員Bさん(40代男性)も、ドア横愛好家の一人。電車の席が空いていても、「座ることはほとんどない」と言う。 

 

「乗り物酔いしやいうえに、胃腸が弱いので、座っていると電車の振動が体に伝わってきて、お腹が痛くなる感覚があるんです。神経性のものだと思うのですが、立って乗っている方が、安心できるというか……。だから長時間乗るときは、ドア付近の位置に立ち、ドア横にもたれかかっているのがラクなんです」(Bさん) 

 

 そんなBさんは、「ドアが開いてもそこから動かない人」の気持ちを、次のように分析する。 

 

「一度降りると、次にそのポジションが奪われる可能性があるので、その気持ちはわかりますよ。ただ、混んでいる電車だと絶対に迷惑になりますし、余計なトラブルも生みたくないので、私は基本的には一度降ります。奪われたら、仕方ないと諦めるだけですね」(Bさん) 

 

 

 Bさんのように、電車内に空席があっても座らないという人は案外少なくないようだ。都内に住む会社員のCさん(30代女性)は、スマホの画面を見られたくないという理由で、電車では座らずにドア横付近をキープする。 

 

「座ってスマホを操作していると、時々ちょっと危なっかしい広告が表示されることがあって、隣や周囲に立っている人からの視線が気になってしまうんですよね。自分が他人のスマホ画面をうっかり目にしてしまうことがあるので、反対に自分のも見られているんだろうなと……。 

 

 座ると隣の人に画面が見えるし、最初は隣の人がいなくてもいつ乗ってこられるかわからない。ドア横だとスマホを覗き込まれないように、ドアを背にして立つことができるので、お気に入りのスポットですね」 

 

 横から画面が見えない覗き見防止シートを貼れば解決しそうなものだが、Cさんは「スマホを買った時は、自分が表示させるサイトは別に隠すようなものもないと思って、シートを貼らずにそのままです。でも、広告が厄介ですね」と話す。 

 

 電車のなかでドア横をキープしている人には、それぞれの事情があるようだ。(了) 

 

 

 
 

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