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経済アナリストの森永卓郎氏の書籍『ザイム真理教』がヒットしているが、財務省を批判することにはリスクも伴うと述べている。

出版社もこの本の出版を躊躇していたが、中野長武さんが経営する出版社が受け入れた。

森永氏はスラップ訴訟を含む法的リスクに備え印税を取っている。

また、日本の言論の自由が制約されているとし、『ザイム真理教』を出版しても自身の経済的自立を確保していることを語っている。

また、日本の農業政策に対して批判的な意見も述べられている。

森永氏は自給自足の生活を送ることで、金のために働かなくても自由な生活を得られると語っている。

(要約)

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 経済アナリストの森永卓郎氏の書籍『ザイム真理教』(三五館シンシャ)がヒットを続けている。ただ表立って財務省を批判することにはリスクもともなうと森永氏は語る。東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏との対談書『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(講談社+α新書)から一部を抜粋・再編集してお届けする。  

 

【漫画】死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由 

 

 連載第5回後編 

 

前編【 

「コメンテーターは真実を言うと干される」森永卓郎が目の当たりにしたテレビ局の「ほんとうの現実」】より続く 

 

写真:現代ビジネス 

 

 鈴木 でも、どうしてそんなことになるんでしょうか。消費税や、財政政策についての発言がそんなに制約を受けるなんて。 

 

 森永 この『ザイム真理教』にも書いたのですが、財務省がカルト教団だからです。 

そのことはみんな知っているんですよ。でも言ってはいけない。だから大手出版社はどこもこの本の出版を引き受けてくれなかった。 

 

 森永 行き詰まって、三五館シンシャという、中野長武(おさむ)さんという編集者が1人でやっている出版社に原稿を送ったところ、これは世に問うべき本だ、やりましょうと返事が来たんです。 

 

 「この本を出したら中野さんも逮捕されるかもしれないですよ」と言ったところ、「森永さんと僕の2人が逮捕されて、それで済むならやりましょう」と(笑)。 

 

 鈴木 なるほど。そのくらいの覚悟で出版されたんですね。国税の査察が入ったりしないんですか。 

 

 森永 そういう心配もあって、『ザイム真理教』の印税は手を付けずに取ってあるんですよ。訴訟費用の備えも必要ですし。 

 

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 森永 具体的な中身については言えませんが、スラップ訴訟を受けたことも複数あります。いまのところ一度も負けていないんですが、裁判費用がかかっちゃうのでダメージはある。 

 

 あと税務調査については、いまのところ大丈夫です。うちは1割ぐらいで、その程度であれば税務調査はないと言われてはいるんです。ただ、いずれやられるかもしれません。 

 

 それでも捕まるのなら仕方がない。そのときは東京拘置所から中継しようとラジオ局と相談しています(笑)。 

 

 日本はもうロシアや中国、北朝鮮のようになっているんですよ。言論の自由が日に日になくなっている。 

 

 でも、私のところは農業をやっているので、月に10万もあれば食っていける。いまのところ年金は給付制限を受けて、1円ももらっていませんが、年金だけでもぜんぜん食えてしまう。 

 

 だから、『ザイム真理教』を出版して仮にメディアの仕事をすべて失っても問題はない。だったら、死ぬ前に本当のことを全部書いておこうと思ったんです。 

 

 

 森永 ほかにもヤバい話を書きかけてはいるんですけど。たぶんどの出版社も引き受けてくれないでしょうね。 

 

 鈴木 しかし、お話を伺って先生の覚悟をひしひしと感じました。みんなもっと森永先生を支えなきゃいけないですよ。私も一緒に闘います。農業の分野ではそれなりにがんばってはきましたので。 

 

 森永 本当のことってなかなか通らないですよね。農水省の役人をうちに泊めて再教育しようかと思っているぐらいです。 

 

 鈴木 仮に農水省の役人の中にわかっている人が現れても、いまの農業政策は財務省と経産省、日米のお友達企業に牛耳られています。 

 

 彼らが官邸に上げ、規制改革推進会議において、同志の連中が策定してしまう。そういうズブズブの利害関係の中で農業政策が決められていて、農水省はそれに文句すら言えない。そうした構造がある。 

 

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 森永 なぜアメリカに全面服従しているのか、その原因についてだれも語っていない。この30年のあいだ日本経済が低迷を続けた原因は、一つは財務省がやった緊縮財政、もう一つはアメリカへの全面服従ですよ。 

 

 それをやめるためにも、SINIC(サイニック)理論(※)の言う「自律社会」を早く確立しなければならないと思っています。 

 

 ※ オムロン(当時は立石電機)創業者の立石一真氏が唱えた未来予測。70年代以降の情報化社会の到来を正確に予想していた。 

 

 森永 「自律」というと我慢ばかりでなんだか権力側からの抑圧のように思うかもしれませんが、自律とは本来、自由を確保するための手段なんです。 

 

 大都市に暮らしている人って、失業とか、離婚してひとり親家庭になるとか、ちょっとしたことで生活が破綻してしまう。 

 

 なぜそうなるかというと、家賃や住宅ローンが高いからです。 

 

 あと、電気代などエネルギーに払うお金も滅茶苦茶高い。最後に食費がとてつもなく高い。逆に、この3つの出費を抑えるだけで、自由な生活を取り戻すことができる。 

 

 私は太陽光発電にも挑戦しています。まだ自宅には小さい非常用のパネルしか付けていないのですが、別の場所で少し大がかりにやっているので、電気はほぼ自給できています。食料も半分以上は自給できている。 

 

 家は建ってから30年以上経つので、減価償却もほとんど終わっている。家賃も支払っていない。こういう状況だと、金のために働く必要がないから、自由なんです。 

たとえ年金が半減したってまったく大丈夫です。 

 

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鈴木 宣弘(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)/森永 卓郎(経済アナリスト) 

 

 

 
 

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