( 144578 )  2024/03/01 13:51:02  
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アクセスルートは2本のみ(大阪・関西万博会場の夢洲)/(C)共同通信社 

 

 やっぱりだ。2025年大阪・関西万博について、大阪市が開催期間中に会場周辺で起きる交通渋滞の試算結果を初めて公表。会場最寄りの阪神高速「湾岸舞洲出口」が渋滞すると予測した。週末や会期後半を中心に期間中の6割にあたる日数で午前8~10時台に交通容量を超過する見込みだ。 

 

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「一般道が容量オーバーすると、信号が赤から青に変わっても、待機中の車の一部は通行できず、もう一度、赤信号で待たされます。高速の出口だと、車がつかえて制限速度での通過は困難です」(試算した大阪市建設局臨海地域事業調整担当) 

 

 夢洲への車両ルートは2本のみ。その1つの「夢舞大橋」を走る高速は万博に向け、4車線から6車線に拡幅。予算2億円を投じたのに、結局、会場最寄りの出口は渋滞予測だ。他に試算した5地点は交通容量内に収まったものの、うち3地点は午前のピーク時には90~97%の交通量に達し、混雑が予想される。 

 

 理由は万博開催とその先のカジノ(IR)開業工事が重なるため。工事は25年春から本格化し、万博の会期中と丸かぶり。工事車両はピーク時に1日あたり2182台と予想される。 

 

 一方、万博の来場者数は2820万人と見込み、関連のシャトルバスや来場者車両の予測は1日あたり最大4000台。現在の交通量とは別に1日約6200台が脆弱なアクセスルートに殺到するのだ。 

 

 しかも、何とか渋滞を抜け出しても自家用車は万博会場には入れない。会場からおおむね15キロ圏内にある駐車場からバスに乗り換える「パークアンドライド方式」を採用し、万博リングに到着する頃にはもうクタクタだ。 

 

漫才師の西川のりお氏(C)日刊ゲンダイ 

 

 それにしても万博とカジノ工事がダブるのは、当初の計画時点から分かり切っていたはず。昨年の市議会でも渋滞は懸念されていた。市は工事車両の通行時間帯とルート変更、万博協会と連携した駐車場の予約枠の調整などで渋滞を回避するというが、何を今さらだ。 

 

「昨年秋に万博協会とIR事業者に推定車両数の算出を依頼してから、試算に着手しました。万博開幕まで、あと400日ほどある。不測の事態に備え、二の矢、三の矢を準備していきます」(臨海地域事業担当=前出) 

 

 漫才師の西川のりおは日刊ゲンダイの「注目の人直撃インタビュー」で〈会場の夢洲とか「下見ののりお」言うて、車で何度も視察しています。いざ始まったら、お客さん、移動するの大変ですよ〉と渋滞発生を見抜いていた。のりお師匠ならずとも、大阪の誰もが「言わんこっちゃない」の心境だろう。 

 

 渋滞に巻き込まれてまで万博に行く価値ナシと多くの人が判断すれば、最大の渋滞解消策となる。 

 

 

 
 

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