( 144603 )  2024/03/01 14:14:58  
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いきなり先制パンチ、次々と攻め込み(衆院政倫審で質問する立憲民主党の野田元首相)/(C)共同通信社 

 

 安倍派の幹部を引っ張り出すために、呼ばれてもいないのに「政倫審」に出席した岸田首相。しかし、「やっぱり出なきゃよかった」と悔やんでいるのではないか。立憲民主党の野田元首相から一方的に攻められた挙げ句、大好きな「政治資金パーティー」の開催自粛まで約束させられてしまったからだ。 

 

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 質問に立った野田元首相は、いきなり「総理大臣が政倫審に出席していること自体に、強烈な違和感を覚える。悲しい気持ちだ」と先制パンチ。 

 

 岸田首相が追い込まれたのは、岸田首相個人の「政治資金パーティー」問題についての質問だ。「脱法パーティー疑惑」もくすぶり、岸田首相個人のパーティーはアキレス腱になりつつある。 

 

「先般(2月26日)の衆院予算委でも質問しましたが」と、野田元首相からこうただされた。 

 

「2022年に7回もパーティーをやっているのは異常じゃないかと申し上げた。岸田首相は『あれは勉強会だ』と、おっしゃったが、一晩に3000万円以上の収入を得るような集会をやって、勉強会だと言っている。どう見たって法令上は政治資金パーティーじゃないですか」 

 

「2022年4月には3回もパーティーやっている。大阪、広島、東京。1カ月に3回ですよ。総理大臣としておかしいと思いませんか」 

 

「昨年もやろうとしていた。12月15日に『岸田文雄と国政を語る会』をやろうとして延期されましたね。中止ではありませんね。まだやろうとしているんですか」 

 

 攻め込まれた岸田首相は、「総理大臣としてパーティーを開催すること、これは、いまは考えておりません」と、なんとか答弁したが、野田元首相から「『いまは考えていない』というのは、ほとぼりが冷めたらやるということじゃないですか。やらないと言ってください」と迫られると、最後は「はい。在任中はやることはないと考えています」と、答えるしかなかった。 

 

 政治資金パーティーが最大の「集金マシン」になっている岸田首相にとって、パーティーの自粛は痛手なのは間違いない。 

 

 

“延期”していたパーティーを“中止”とする羽目に…(衆院政倫審で、弁明のために挙手する岸田首相=代表撮影) 

 

 それ以上に岸田首相にとって厄介なのは、昨年12月に“延期”とした「岸田文雄と国政を語る会」を、延期ではなく“中止”にしなくてはならないことだという。パーティーを中止にすると、パー券を買ってくれた企業名や個人名をすべてオープンにする必要があるからだ。 

 

 政治資金パーティーは、パー券の購入額が1回20万円を超えない限り、購入者を「収支報告書」に記載する必要はない。しかし、パー券の購入代金を返金するとなると、1万円以上の支出は、すべて記載しなければならない。以前、自民党の稲田朋美議員がパーティーを中止した時も、収支報告書にすべて記載せざるを得なくなった。 

 

 岸田首相が昨年12月開催予定だったパーティーを“中止”ではなく“延期”にしたのも、収支報告書への記載を避けるためだったに違いない。 

 

「一昨年(2022年)12月に開いた『岸田文雄と国政を語る会』は、参加者約1200人、3653万円を集めています。恐らく、昨年12月に開催予定だったパーティーも3000万円以上、カネを集めているはずです。パーティーを中止にするとなると、購入者に返金し、収支報告書に記載することになる。社名が出ないことを前提にパー券を買った企業からすれば大迷惑でしょう。岸田首相も、どの企業が資金源なのかバレてしまいます」(政界関係者) 

 

 安倍派幹部を政倫審に引っ張りだすことに成功した岸田首相は、してやったり、という気分だったかもしれないが、政倫審で追及され、完全に墓穴を掘った形だ。 

 

 

 
 

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